神奈川県厚木市の市立北小学校が、世界基督教統一神霊協会(統一協会)系である「世界平和女性連合(WFEP)」のメンバー3人を外部講師として授業に招いていた問題で、同紙教育委員会は24日、職員を市内の全市立小学校に派遣し、外部講師の審査をより厳格に実施するよう要請することを決めた。神奈川新聞(電子版)が同日伝えた。
同紙によると、3人を招いた教諭と同校はいずれも、同団体が統一協会の関連団体であることを認識していなかったという。市教委によると、3人は同校に対して所属する団体を明らかにして、「国連NGOとして活動している」と説明。2年生84人に「国際交流」の授業を行った。宗教関係の話はなかったという。
「世界平和女性連合」に関しては、過去に地方紙が外部投稿のコラムで、同団体を「国際的な奉仕団体」とする記事を掲載し、全国霊感商法対策弁護士連絡会が、同団体の総裁が統一協会教祖・文鮮明の夫人である韓鶴子であることや、日本の同団体会長が、日本の統一協会元会長である江利川安栄であることなどを指摘する公開質問状を送り、同地方紙が「投稿の扱いに慎重さを欠き、こうした記事を掲載してしまったことは、誠に遺憾であったと強く反省している」と回答する事態が起こっている。
今回の問題をめぐっても、同弁護士連絡会は、市が統一協会の活動に「賛同しているかのような誤解を生む」(同紙)として、同市市長と同校校長に抗議する文書を送っている。