米国福音同盟(NAE)は24日、米国の福音派教会の多くが、特定の政党や候補者を支持するようなことはしていないとする調査結果を発表した。
今回の結果は、NAEが行っている月間調査によるもので、NAEに加盟する60の教団・教派の代表に加え、宣教、大学、出版など様々な分野で福音のために活動する諸団体の代表らが対象となっている。NAEは60の教団・教派、4万5000教会が加盟し、その他多くの福音主義関連団体が加盟する同国最大規模の福音主義連絡組織。会員数は3000万人にも上る。
調査は「あなたの教会では、信徒に対し誰に投票するかを助言しますか」と問うもので、今回ほとんどの回答者が、「いいえ」と強く否定した。NAEのレイス・アンダーソン議長は今回の調査について、「(他の)多くの調査では、福音派の指導者から様々な回答が寄せられるが、今回は違った」と語り、「はい」と答えたのが1人だけであったとしている。
回答した教団の代表一人は、「誰に投票するか助言することはしていない。様々な社会問題、とりわけ正義に関する問題について、説教の中で預言者的な忠告をするよう努め続けてはきた」「我々は、候補者をどう評価するか、また誰に投票するかは、信徒自身らが各個人の判断でするようゆだねてきた」などとコメント。しかし、ほとんどの回答は「説教壇は選挙運動の場ではない」といった回答にみられるように、教会が政治に関与することについて強く否定するものであったという。
アンダーソン議長は今回の結果を受けて、「福音主義者が特定の候補者を推進していると責める批評を耳にするとき、驚かされる。これは事実からかけ離れている」と語った。
しかし、その一方で、「フォーカス・オン・ザ・ファミリー」のジェームズ・ドブソン氏や、テキサス州にあるコーナーストーン教会のジョン・ハギー牧師、キリスト教系テレビ局CBNのパット・ロバートソン氏など一部著名なキリスト教指導者は、現在行われている米大統領戦において、特定候補者への支持を表明するなどしている。