【CJC=東京】国際テロ組織アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディン容疑者は3月19日、北欧の主要各紙が最近、イスラム教の預言者ムハンマドの風刺漫画を掲載したことについて、欧州連合(EU)は厳罰を受けることになるなどと警告する音声声明をウェブサイト上で公表した。イラク戦争開戦から5年となる20日を意識したものと見られる。
メッセージはEUの「知識層」に向けられ、ビンラディン容疑者は、デンマーク各紙が前月、イスラム教の預言者ムハンマドの風刺漫画を掲載したことは「イスラム教徒の村々を標的とし、女子どもを殺害している欧州の軍隊より罪が重い」と述べて、その責任を負うべきだと警告した。
また、「言論の自由を重視するなら、われわれの行動の自由も受け入れるべき」だとし、このような侮辱に対するイスラム教徒の反応は「敵が耳にすることではなく目にすることだ」として、暗に報復を示唆した。
アルカイダのメディア部門アルサハブが公開したメッセージは、ビンラディン容疑者がライフル銃を構えるビデオ映像とともに音声が約5分流れ、英語字幕が付いている。
過激派のウェブサイトを監視する米情報収集大手インテルセンターは、メッセージが大規模な攻撃が新たに行われる可能性を示唆しているがものの、攻撃時期については不明という。
同容疑者の声明は中東の衛星テレビ、アルジャジーラが2007年11月29日、欧州各国にアフガニスタンからの撤退を求めた音声声明を放送して以来。