創立100周年のロゴマークを公募していた桜美林学園(東京都町田市)は5月26日、選考委員会の審査に基づき、採用作品となる最優秀賞と佳作2点が決定したことを発表した。同学園で行われた授賞式では、同学園理事長・学園長の佐藤東洋士氏よりトロフィーと賞金・賞品が授与された。
2021年に創立100周年を迎える同学園では、在校生・卒業生、学園関係者を対象にロゴマークを募集していた。昨年12月に締め切った時点で、在校生21人、卒業生20人、同学園関係者10人の合わせて51人から計94点の作品の応募があった。同学園によると、1960年代の卒業生や、卒業生が子どもと一緒に応募したものもあったという。
今回は応募94作品の中から選考委員会の審査に基づき、最優秀賞(採用作品)1点と佳作2点を4月28日の常務理事会で決定した。最優秀賞に選ばれたのは、98年度桜美林大学経済学部卒業生の金子淳吾氏で、キリスト教主義の学校である桜美林学園を象徴する荊冠堂チャペルをデザインした作品だ。佳作には、同大芸術文化学群2年生の新木勇汰氏、大学関係者の岩上理惠氏のそれぞれが選ばれた。
金子氏は、同大の経済学部商学科を卒業後、デザイナーに転身。作品については「100周年に際して過去を振り返る懐古的なものではなく、これからの桜美林をイメージさせる先進的なデザインに落とし込んだ」と話す。これまでも東京オリンピック・エンブレムなどコンペに応募を続けているが、「母校を愛する気持ちが強く、この桜美林100周年ロゴだけは、どうしても選ばれたかったので、とてもうれしい」と受賞の喜びを語った。
佳作に選ばれた新木氏は、将来デザイナーを志しており、すでに杉並区高円寺の配電用地上機器をラッピングする「まちなかアートコンテスト@高円寺」で高円寺賞を受賞している。岩上氏は、コンペに応募したのは今回が初めてだという。
今回ロゴマークのデザインとなった荊冠堂チャペルは、桜美林学園創立60周年を記念し、キリスト教主義学校である桜美林学園を代表する建物として、2007年12月に完成した。同学園では、イバラを意味するこの荊冠を「艱難(苦難)を経て栄光に至る」と理解し、校章にも掲げている。また、創立者清水安三氏(1891~1988年)の愛した聖書の言葉「為(せ)ん方(かた)つくれども希望(のぞみ)を失わず(いかなる事態に陥ろうとも、決して希望は失わない)」の教えも意味している。