今年が創立50周年となる桜美林大学(東京都町田市)はこのほど、同大学而館(がくじかん)の町田街道側壁面に「学而事人(がくじじじん)」の大サインを設置した。「学而事人」とは、桜美林学園創立者で初代学長の清水安三氏(1891~1988年)が唱えた「学びて人に事える(つかえる=仕える)」を意味する学園のモットー。
これまでも同大では、「学而事人」が持つ精神である、「学問のために学問をするのではない」「自己の教養のために学問するのでもない」「学んだことを人のため、社会のために活かす」を実践するため、国内外の地域社会に貢献する機会を提供してきた。
5年後に100周年を迎える桜美林学園は昨年、時代や社会の変化に適切に対応していくため、2015年から20年までの第2次中期目標を策定した。メーンテーマは「私たちは変わる! ―勇気を持って変化に立ち向かおう―」で、全教職員が方向性を共有して学園全体のミッションである「キリスト教精神に基づく国際人の育成」に努めているところだ。
創立者の清水氏は、同志社大学神学部を卒業後、1917年、日本人宣教師第1号として中国に派遣され、大干ばつで苦しむ子どもたちのために「災童収容所」を北京に開設した。
21年には、北京の朝陽門外に桜美林学園の源となる崇貞平民女子工読学校(後に崇貞学園と改名)を設立。終戦後は日本に帰国し、46年に同学園を設立した。キリスト教精神に基づく清水氏の教育の思いを受け継いできた同学園は現在、1万人以上の学生、生徒、園児が集う学び舎として発展している。