エルサレム郊外のユダヤ教神学校「メルカズ・ハラブ・イェシヴァ」で6日発生し、ユダヤ人学生8人が死亡した銃乱射テロを受けて、パレスチナ・レバノン地域を管轄する福音ルーテル教会監督のレヴ・ムニブ・ア・ヨナン氏は、暴力は自らに滅びをもたらすもので絶望の産物でしかないと、今回のテロを非難すると共に、武力報復の連鎖が起こらぬよう訴えた。
ヨナン氏は声明で、「我々は、先日夜にイェシヴァで8人、先週にはガザで120人が殺されるというここ最近続く暴力の拡大によって、非常に深い悲しみを覚えている」「愛する者を失ったすべての人々に心からの哀悼の意を表す」と、一連の暴力の応酬に強い悲嘆を示した。一方、ヨナン氏は問題解決の手段として暴力に訴えることは、将来を見ることが出来ない者がすることだと非難した。
今回の事件はロケット弾攻撃を繰り返すイスラム原理主義勢力ハマスの撲滅作戦として、イスラエル軍が先月下旬にガザに侵攻し、ハマス幹部を含む約120人が死亡した直後に発生した。7日には、ハマス幹部がロイター通信などに犯行声明を出している。
AP通信によると、神学校に進入したのはアラ・アブデイム容疑者(25)。東エルサレム在住のパレスチナ人男性。運転手をしており、同学校で働いていたとの情報もある。6日に夜に神学校の1階図書室に侵入し、自動小銃乱射、学生8人を殺害、11人に重軽傷を負わせたが、駆けつけた治安部隊によって射殺された。