【CJC=東京】聖座(バチカン)が3月8日、中国のカトリック(天主教)教会問題について10〜12日に開催する高位聖職者の会議に中国人司教も参加する、と明らかにした。
教皇ベネディクト十六世は、中国との関係改善を教皇職の優先課題にしており、北京との外交関係再開に熱意を示している。
教皇は昨年、特別書簡を中国のカトリック者に送ったが、それへの反応を会議で評価するものと見られる。書簡で教皇は、中国の地下教会を称賛する一方、公認(官方)教会に属する人たちとの和解を信者に促した。
バチカン当局は、今回の会議で、「中国にある教会の有り様の重要な側面について議論する」と語っている。
中国では、信徒数百万人が教皇に忠誠を示す非公認の地下教会に属しており、抑圧の危険にさらされている。カトリック聖職者の投獄事件も発生している。共産主義政権成立後の1951年、カトリック教会はバチカンとの絶縁を強制された。
ミサなどの礼典は、公認教会にのみ認められている。公認教会はバチカンの意向に関係なく、独自に司教を任命して来た。しかし2007年、バチカンもみとめた司祭が公認教会の北京の司教として任命された。司教任命権は教皇のみが保持すると言う聖座と中国政府との間の緊張緩和を示すものと見られている。