5.経済顧問として三代の韓国大統領に仕える
あるとき、政府から突然呼び出され、韓国の経済特別補佐官に任命されました。以後、金大中大統領を含む三代の大統領、首相、国会議長の三人に私はほぼ毎週一人で経済政策について具体的に助言と提言をしてきました。その回数は200回を超えました。
私の在任中に、韓国最大の経済問題であったIMF危機を乗り越えることができました。また、韓国の今後の経済発展のためにはIT産業育成が急務であることを大統領に強く提言しました。私自ら3000社を越えるIT企業候補を面接してその育成を図りました。韓国のIT産業が、今ではアジアで最も繁栄するようになったことを、神さまに感謝しています。
6.大手会計事務所勤務と伝道の広がり
経済特別補佐官の任務を終えた後、私は韓国最大の高層ビル「スタータワー」にある大手国際会計事務所に勤務しました。スタータワーには5万人の人々が働いています。私が職場で一人のクリスチャンと週一回のバイブルスタディを始めたところ、タワー中の別の職場にも広まり、300人を越えるグループに成長しました。5年目にタワー全体のクリスマス集会をしたら、2000人が参加してくれました。あまりのすばらしさに、神さまに感謝しながら私は涙を押さえることができませんでした。
当時は仕事が終わるとそのまま教会へ行って、深夜過ぎまで奉仕をしました。仕事でくたくたに疲れているのに、教会に行くとまた元気があふれてきます。平均睡眠時間は三、四時間だったと思います。このような生活がつづけられたのも、神さまの恵み以外の何物でもありません。
こうして私は寝食を忘れて仕事と教会奉仕と伝道に励みましたが、ついに過労のためひどく体調を崩し、休養を兼ねて東京の大手監査法人に韓国事業部長として一年間派遣されました。日本にある韓国系企業の社長さんや幹部職員たちと食事をしたりゴルフをしたりすることが、私の主な仕事でした。
仕事の話をまったくしないで、私は夢中になって私の信仰の体験談をして、みなさんに福音を伝えました。これがかえって好感を持たれて、みなさんと個人的に大変親しくなることができました。仕事の話を何もしなかったのに、私のところに多くのクライアントから仕事がどんどん入ってくるようになりました。私が日本に来た時はこの監査法人の韓国系企業からの収入は2億円位だったのに、帰国する時にはなんと10億円を越えていました。これも神さまの大きな恵みでした。
7.バイブルランド建設の使命
一年間の日本滞在で元気を回復した私は、帰国間際に神さまから特別な使命をいただきました。「聖書をテーマにした壮大なテーマパークを日本に造りなさい」というものでした。「神さま、そんな大それたことは私にはとてもできません!」。私は必死に抵抗しましたが、「あなたにはこのわたしが付いているではないか。わたしはあなたにできないことをやりなさいとは決して言わない」と、神さまに押し切られてしまいました。
日本の人たちは自分の目で見ないと信じませんが、見れば容易に信じる民族だと思います。「聖書の創世記から黙示録に至るまでのさまざまな場面をリアルに再現するテーマパークを造ったら、それを見て日本の人々はきっとイエスさまを信じるようになるに違いない」と確信できました。
「ウォルト・ディズニーは、失敗した事業をなんとか建て直そうとがんばっていたときに、貧しい部屋の中をうろちょろしていたネズミをからかっているうちに、あのミッキーマウスのキャラクターを思いついたのだ。そのミッキーマウスが、やがてディズニーランドに発展したのだ! 私はネズミ年生まれではないか。私というネズミがやがて、ディズニーランドよりももっと壮大な聖書のテーマパークを神さまと一緒に造るんだ!」。こう思った私は、とてつもない勇気と力がわいてきました。どんな構想にするか、どんな設計にするか、すばらしいアイデアが次々に浮かんできます。
この話を東京でしたら、大阪の〆木泰輔さんという方が、もう20年も前から、同じバイブルランド構想を神さまから与えられて、その実現のために祈りつつ奔走してきたことを知って驚きました。これからは〆木さんと一緒に組んで、日本にバイブルランドを建設していきたいと思っています。神さまと共に歩んでいると、本当に驚くことばかりです。
期せずして、現在私は、ロシアのソチ市における冬季オリンピック施設建設、ならびにウラジオストックにおける金門橋建設等の大プロジェクトに携わることになりました。両方とも日本企業と韓国企業が組んでやることになる、それぞれ数千億円のプロジェクトです。これも神さまの壮大なバイブルランド建設の準備なのだと思います。