【CJC=東京】北朝鮮の最高裁は16日、同国内で1月に拘束された米バージニア大の男子学生、オットー・フレデリック・ワームビア氏に対し、15年の労働教化刑を言い渡した。
同国国営の朝鮮中央通信(KCNA)は2月29日、ワームビア氏が国家への「重大な犯罪」を告白したと伝えていた。
KCNAによると、ワームビア氏は平壌市内で記者会見し、羊角島(ヤンガクト)国際ホテルのスタッフ専用エリアから政治スローガンが書かれた展示物を持ち出すという罪を犯したと告白し、この罪は「非常に重大かつ計画的なものだ」と語った。
ワームビア氏は、米オハイオ州ワイオミングのフレンドシップ合同メソジスト教会の友人の母親から教会に展示するために政治スローガンの書かれた掲示物を取ってくるよう頼まれたため、盗んだと述べた。また、掲示物を盗めば1万米ドル(約110万日本円)相当の中古車をあげると言われたほか、もし北朝鮮で拘束されて帰国できなくなれば20万ドル(約2200万円)をワームビア氏の母親に寄付金として渡すと言われていたと述べ、自身の家族が「非常に深刻な経済状況にあったため」、友人の母親の提案に応じたと語っていた。
ワームビア氏はオハイオ州ワイオミング出身。昨年末から5日間の観光ツアーで北朝鮮を訪れたが、宿泊した平壌市内のホテルで政治スローガンが書かれた掲示物を盗んだとして今年1月初めに拘束された。ツアー会社によると帰国間際に空港で拘束されたという。