アジアキリスト教協議会(CCA)は、新約聖書エフェソの信徒への手紙4章3節「平和のきずなで結ばれて、霊による一致を保つように努めなさい」に基づいて、2016年のアジア祈祷日のテーマに「コリア:平和のきずなで結ばれた一致に向けて」を選んだ。CCAが公式サイトで9日に発表した。
アジア祈祷日は毎年、CCAの呼び掛けに応じて、アジア各国・地域の諸教会で実施されている。「アジア祈祷日は、ペンテコステの1週間前の日曜日に定められていますが、これは現在のCCAの前身である東アジア・キリスト教協議会(EACC)が1959年5月24日、ペンテコステの1週間前の日曜日に誕生したことに由来しています」と、CCAに加盟している日本キリスト教協議会(NCC)は説明している。
アジアにあるCCAの加盟教会と加盟協議会、また世界中の諸教会とエキュメニカル協力団体に宛てたメッセージで、CCA総幹事のマシューズ・ジョージ・チュナカラ博士は、「ここ数カ月の出来事があらためて示したのは、北朝鮮と韓国が継続的な緊張の中で巻き込まれている対立や政治的孤立がいかに鋭いものであるかということです。朝鮮半島における現在の状況は、分断された朝鮮半島の平和と和解、そして再統一のために働くための新たな関与の根拠をなすものです」と述べた。
同総幹事は、「朝鮮半島における平和を求める呼び掛けは、今やこれまでになく緊急であります。コリアにおいて平和をつくることは希望のしるしであり、癒やしと和解の象徴であります。私たちが朝鮮半島の両国民とともに、また両国民のために祈るとき、諸教会とエキュメニカルな協力団体には、この地域に平和と和解を築くための自らの努力をまとめて集中させることに向けた、具体的な責任があるのです」と付け加えた。
「『コリア:平和のきずなで結ばれた一致に向けて』とのテーマで2016年のアジア祈祷日を守ることは、依然として、世界中のエキュメニカル運動における教会やさまざまな行為主体が、朝鮮半島の平和と和解、再統一に対する自らの責務を新たにする備えをするための、エキュメニカル運動を代表するCCAのイニシアチブなのです」と、同総幹事は述べた。
アジア祈祷日は、特定のテーマに焦点を当て、アジア祈祷日を守るべく特別な祈りや礼拝を企画するよう、世界中の諸教会やエキュメニカルな協力団体とともに、CCAの加盟教会や加盟協議会に呼び掛けるもの。
「2016年は、アジア祈祷日が5月8日となりますが、いつも通り、教会や協議会は、自らの都合に合わせて、地域や国の文脈でアジア祈祷日を守るための日付を自由に選んでいただいても結構です」と、2016年アジア祈祷日担当のプログラム・コーディネーター、ムン・ジョンウン牧師は述べた。
「分断された朝鮮半島は、冷戦政治の最後の名残の一つ。朝鮮戦争で何百万人もの人たちが殺された。1千万人を超える人々が直接の家族から引き離された」と、CCAは説明している。
「ここ数週間のうちに、北朝鮮と韓国の間の敵意は高まりつつある。最近行われたロケットの打ち上げや水爆実験によって、両国の関係は再び試練を迎えている。韓国と米国は現在、終末高高度防衛(THAAD)ミサイルという防衛システムを韓国の国土に配備する計画をしている。国連安全保障理事会は2016年3月2日、北朝鮮に対して過去20年間で最も厳しい制裁を認め、全ての核関連活動の禁止に対する北朝鮮政府の反抗的態度への怒りの増大を反映した」と、CCAは最近の動きについて述べている。