世界最小の聖書としてギネスブックに認定された「ナノバイブル」が埋め込まれたジュエリーが、インターネットで販売され、話題を呼んでいる。キャッチコピーは、「信仰のギフトを贈ろう。一面に印刷された最も小さな聖書」だ。
エルサレムナノバイブル社製のナノバイブルは、新約聖書版と旧ヘブライ語聖書版があり、どちらも全ての章と節、その句読点までが、5ミリ四方のシリコンチップに印刷されている。同社は、ナノテクノロジー開発のためにタワージャズ社と協力。聖書の全てを極小のチップの中に印刷し、ペンダント、時計、ブレスレット、ロケットペンダントなどの貴金属や宝石類にはめ込むことを可能とした。
着想は2013年、戦場カメラマンでビデオジャーナリストのアミ・ベントヴ氏によって得られた。彼は、信仰と平和、戦争や闘争について祈る中でひらめき、「全ての宗教のための慰めのメッセージ」を込めた製品を開発すべく、イスラエルのテルアビブ大学に働き掛けた。彼の使命は、「最新のテクノロジーを通して、信仰に関する霊的な対話を呼び起こす」ことだった。
今回の技術により、どこへ行くにも神の言葉を持ち歩くことが可能となった。新約聖書版には、全27巻の全てがギリシャ語で書かれている。ヘブライ語聖書版には、モーセ五書を含めた24の書物が含まれている。
それぞれのチップには、認定証明書が付いている。「ウエハー」と呼ばれるシリコンから作られ、ヘブライ語、ギリシャ語の文面がチップ上に印刷され、電子顕微鏡を用いて検査されている。「ウエハー」は半導体の材料で、砂に由来し、通常は電子回路基板の高精度印刷に使用されるものだ。ちなみに1ナノメートルは10億分の1メートル。例えて言うなら、地球の質量を1としたとき、大理石の質量がその10億分の1ということになる。
ナノバイブルは、任意のコンピューターやその他の電子機器を使用しても読むことはできない。