北朝鮮にチョコレートや下着などの日用品を不正に輸出したとして、東京都台東区の貿易会社「聖亮商事」の金賢哲社長(48)が18日、外為法違反(無承認輸出)容疑で逮捕された。国内の複数のメディアが伝えた。
読売新聞によると、金容疑者は2014年1月、チョコレートや下着、食器などの日用品が入ったダンボール箱計約190個、約640万円相当を、シンガポール経由で北朝鮮へ不正に輸出した疑いが持たれている。北朝鮮への輸出は09年から禁止されており、シンガポール経由の不正輸出の摘発はこれが初めてだという。
産経新聞によると、輸出品は北朝鮮国内の富裕層向けとみられており、09年〜14年の6年間で10数回、不正な輸出が行われた形跡が確認されているという。
警察はこの日、聖亮商事の他に、聖亮商事の関係先として、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)傘下の経済団体である在日朝鮮合営経済交流協会も家宅捜索した。NHKによると、朝鮮総連は「全く関係のない朝鮮総連の関連団体を強制捜査したのは不当極まりない暴挙だ」などと批判した。
NHKによると、金容疑者はシンガポールへ輸出したことは認めているものの、「その先のことは分からない」と話し、容疑を否認している。