長崎県佐世保市議会の大岩博文議員(63)=佐世保市宇久町=が17日、佐世保市の離島「宇久島」の大規模太陽光発電所(メガソーラー)事業に絡み、許認可権限を持つ朝長則男市長に現金100万円を渡すと持ち掛けていたとして、贈賄申し込み容疑で逮捕された。共同通信が伝えた。
同通信によると、大岩容疑者は2014年9月、メガソーラー事業の許認可申請手続きで便宜を図る目的で、朝長市長に人を介して現金100万円を渡すと持ち掛けていた疑いがあるという。同通信は認否について伝えていない。
佐世保市議会のホームページによると、大岩容疑者は自民党市議会所属で、佐世保市議は3期目。佐世保市議会の文教厚生委員会副委員長、行財政改革特別委員会を務めている。
宇久島は、九州本土から約50キロ離れた五島列島の最北部に位置する島で、面積は約25キロ平方メートル、人口は約2500人。
メガソーラー事業は、ドイツの太陽光発電事業者フォトボルト・デベロップメント・パートナーズ(PVDP)が計画しているもので、PVDPのホームページなどによると、発電容量は480MWで日本最大規模。約65キロの高電圧海底ケーブルで九州本土と結び、九州電力に売電することを計画しているという。
一方、日本自然保護協会は13年、「自然環境や文化環境を壊して小さな島を発電島にする必要が本当にあるのかについての議論はなされていません」と指摘。「自然環境に不可逆的な影響を及ぼす原子力発電はすぐにでもやめなければいけませんし、地球温暖化対策のためにも再生可能な自然エネルギーに転換していかなければならないことは確かです。しかし風力や太陽光発電が日本の生物多様性を壊してまで進められるとしたら本末転倒と言わざるを得ません」などと批判していた。