東芝が富士通、VAIOとのパソコン事業統合に向け、中国浙江省にある杭州工場を売却し、パソコンの生産から全面撤退する方向で調節している、と産経新聞が16日に報じたことについて、東芝の広報担当者は同日、ロイター通信に対し、「検討している事実はない」とコメントし、報道を否定した。
同紙は、パソコンの生産から撤退することで設計と開発に専念し、生産コストを抑えることを狙い、東芝が杭州工場の売却を中国企業と進めているなどと伝えていた。
同紙はまた、3社が設立に向け協議を行っている持株会社傘下のパソコン事業会社が、生産拠点を富士通の島根工場(島根県)とVAIOの安曇野工場(長野県)に集約。杭州工場の売却交渉が決まり次第、3社がパソコン事業統合の最終調整に入るなどと伝えていた。
杭州工場は、浙江省杭州市にある東芝最大の自社パソコン工場。2002年設立、03年操業開始。東芝のホームページによると、当時は青梅工場(東京都)を親工場とした位置付けで、フィリピン、上海を含めた計4工場でパソコンを生産していたが、05年に生産拠点を杭州工場に集約。月間約25万台のパソコンを生産できる能力があるという。