日本人ミュージシャンの長木谷麻美(ながきや・あさみ)さん(30)が10日、中米カリブ海に浮かぶ島国トリニダード・トバゴで首を絞められ殺害された状態で発見された。警察が11日に発表し、殺人事件として捜査している。FNNなどが伝えた。
FNNや読売新聞によると、長木谷さんはトリニダード・トバゴの首都ポートオブスペインの公園で10日に発見された。検視の結果、首を絞められて死亡したことが判明したという。テレビ朝日によると、長木谷さんは公園の草むらでうつぶせの状態で見つかった。遺体には切り傷やあざなどの外傷もあったという。
同紙やテレビ朝日によると、長木谷さんは毎年2〜3月に開催されている現地の「トリニダード・カーニバル」に友人と参加するため、1月7日にトリニダード・トバゴに入国していた。
長木谷さんのブログによると、長木谷さんは北海道苫小牧出身。幼少期からエレクトーンを始め、中高と吹奏楽部に所属し打楽器を担当。その後、2006年に洗足学園音楽大学音楽学部打楽器科に入学し、ドラム缶で作った打楽器「スティールパン」と出会い、大学卒業後はスティールパン奏者として活動していた。
ブログによると、トリニダード・トバゴはスティールパンの本場。トリニダード・カーニバルは世界三大カーニバルの一つとして数えられており、カーニバルの目玉としてスティールパンコンテスト「パノラマ」が開かれるという。長木谷さんは2012年から現地バンドと共にパノラマに毎年参加しており、12年と15年には3位に入賞している。
トリニダード・カーニバルは、キリスト教の祭日「イースター(復活祭)」までの46日間の特別な期間である「レント(四旬節)」の初日に当たる「灰の水曜日」の前の月曜と火曜に行われており、今年は灰の水曜日が2月10日であったことから、8、9日に開催された。
長木谷さんは8日朝には、自身のフェイスブックにトリニダード・カーニバルの一部の様子を動画で投稿していた。ブログの最終更新は5日で、「いろんなバンドがいて本当にすばらしい。自分からは生まれてこないような音楽が聴けたり、本当に本当に素晴らしい、この国は素晴らしい」などとつづっていた。
長木谷さんの知人はFNNの取材に応じ、「アジア人の遺体らしいと聞いて、彼女じゃなければいいと願っていたが、残念な結果になってしまった」と話した。