イタリア・プロテスタント教会連盟(FCEI)と聖エジディオ共同体およびイタリア政府による「人道的通路」プロジェクトを通じて、レバノンやモロッコ、そしてエチオピアのキャンプから来た最初の難民が今月、イタリアに到着した。世界教会協議会(WCC)が9日、公式サイトで伝えた。
イタリアの教会は、住居の提供や文化についてのオリエンテーション、そして語学の講習を、彼らがイタリアにいる最初の1カ月間、責任を持って行う。
先週、FCEIと聖エジディオ共同体、そして政府の外務省および内務省が署名した公式な協定による「人道的通路」を通じて、シリア人の家族がレバノンからイタリアへ渡ってきた。この家族には重病の7歳の女の子がおり、今ローマにあるバムビーノ・ジェズ(注:イタリア語で「子どものイエス」の意味)病院で治療を受けている。向こう数週間に、キリスト教徒とイスラム教徒の両方を含む約100人の難民が、レバノンからイタリアへ飛行機で向かうが、これは、彼らがヨーロッパへ命取りの海を渡る危険を冒すという誘惑に陥らないように、「人道的通路」の指導者たちが彼らの人道ビザ取得を助けた上でのこと。
第一波となるこの100人のシリア難民はとりわけ脆弱で、彼らの大多数は病気だったり、高齢者や女性だけで、幼い子どもたちや障がい者を伴っている。彼らの多くは人身売買の被害者になる可能性がある。
「私たちはこの計画のために活動してきましたが、難民の命が救われて、その成果が非常に劇的な形で開けるのが目に見えています」と、ワルド派教会の「タボラ・バルデセ」(注:イタリア語で「ワルド派のテーブル」の意味)の顧問で、移民に対処するためにFCEIが運営している包括的なプロジェクト「地中海の希望」国際関係コーディネーターのパオロ・ナソ博士は語った。「他の国々も私たちの取り組みを模倣してくれるよう、私たちは望んでいます」
ナソ氏らは、迫害や戦争そして大量殺りくを逃れるために、地中海を渡ろうとして北アフリカから流れてくる人々のニーズに取り組もうと、何カ月も働いてきた。この人道危機への取り組みを助けるために、FCEIは「地中海の希望」を設立した。過去1年間で地中海を渡ろうと推計3千人の人々が亡くなったが、FCEIは聖エジディオ共同体と共に、イタリア政府に対し、人道ビザ発行の実施をもっと多くするよう圧力をかけることを決定した。
「これは実際的な模範であり、政策を変えれば命の損失を未然に防げることの実例です」とナソ氏は語った。「このような人道的通路が今後ますます増えていくことを願っています」