メルキト・カトリック教会アレッポ大司教のジャン=クレマン・ジャンバルト氏は、シリアに滞在する欧州の援助団体について、国を支える中流階級のキリスト教徒をターゲットにして出国を誘惑していると非難した。
ジャンバルト氏はラジオ・ノートルダムに対し、「私たちが求めたこともない、無料でのフライトとビザの発給を申し出る国々も見てきました」と語った。「彼らは、ごくわずかに残った人々も私たちから取り去ろうとしています」
ジャンバルト氏は、シリア最大の都市アレッポにいるキリスト教徒のうち、半数がすでにシリアを離れたと語った。
「私たちの社会のバックボーンである中流階級の人々が奪われています」。特定の国を名指しすることはなかったが、その国々が人々に継続して国外脱出を促し続けていることが、シリアに弊害をもたらすと述べた。
「私たちは、彼らの流出が、国だけでなく彼ら自身にも害を及ぼすと考えています。なぜなら、彼らが夢見ているより良い世界は、自国での変革があって初めて実現し得るからです」
アレッポの現状は安定しており、キリスト教徒は以前より自由に礼拝に出席できるようになったとジャンバルト氏は述べた。「政府が統制している地域ではどこでも、私たちはこの宗教を実践するのに何ら問題はありません。私たちは、人口の80パーセントを占めるイスラム教徒と非常に良い関係を築いています」。政府が統制している地域では教育も安定しており、イスラム教徒とキリスト教徒が共に学校に通っていると話した。
アサド大統領に対して賛同も反対もしないと前置きしつつ、ジャンバルト氏は「もし政権が崩壊し大統領が辞任した場合、あちこちで無数の戦闘が起こるでしょう。人々は互いに殺し合うでしょう。恐ろしい状況があり得ます」と語った。