他人のパソコンに遠隔操作ウイルスを感染させ、不正にアカウントを取得したとして、警視庁サイバー犯罪対策課は5日、高校1年の男子生徒(16)=東京都大田区=を不正指令電磁的記録(ウイルス)保管・供用と不正アクセス禁止法違反の各容疑で書類送検した。産経新聞などが伝えた。
同紙や時事通信によると、男性生徒はデータを共有できる無料サイトに、有料テレビなどを閲覧する際に使う「B-CAS(ビーキャス)カード」の不正改造ツールを装って、遠隔操作ウイルスをアップロード。このツールをダウンロードした約730台のパソコンに遠隔操作ウイルスを感染させるなどした疑いが持たれている。
同紙によると、男性生徒のパソコンからは、大手通販サイトやネットバンキングのIDやパスワードなどのアカウントが、約1800人分見つかった。また、入手したアカウントで高級時計3点を約2600万円で落札したり、一部のアカウントを転売して仮想通貨「ビットコイン」を得ていたという。
時事通信によると、男子生徒は「著名な少年ハッカーに憧れていた」などと話し、容疑を認めている。
送検容疑は、2015年6〜7月、遠隔操作ウイルスを東京都内の40代の男性が所有するパソコンに感染させ、男性ら2人のアカウントを不正に取得し、ショッピングサイトに不正にアクセスするなどした疑い。
不正ウイルスをめぐっては、中学生や高校生が書類送検されたり、逮捕されたりすることが、ここ最近頻繁に報じられている。昨年11月には、ネットバンキングの不正送金ウイルス「ゼウス」を保管していたとして、札幌市の中学2年の男性生徒が逮捕されている。この男性生徒は同月、他人のパソコンをロックして身代金を要求するウイルス「ランサムウエア」を、名古屋市の中学2年の女子生徒に販売したとして再逮捕されている。