南インド教会議長のゴバダ・ディバシバダム主教は、「凶悪な」差別を受けて自殺した、ハイデラバード中央大学の研究生だった、ロヒト・ベムラ(Rohith Vemula)さんの母親に会った後、学校や高等教育機関で続いているカーストに基づく差別に反対して声を大にして語った。アングリカン・コミュニオン・ニュース・サービス(ACNS)が3日に報じた。
1月17日のベムラさんの死は、ダリットやインドの「低い身分のカースト階級」が直面している差別が続いていることについて、インド全体で抗議や怒り、そして論争や幅広いメディアの注目を引き起こした。
この論争は「エリートの教育機関」が担っている役割に焦点が当てられている。ハイデラバード中央大学は昨年7月、ベムラさんの月2万5千ルピー(約4万3500円)の奨学金を取り消し、彼やアンベードカル学生協会の他の5人のメンバーを大学寄宿寮から追い出した。ある大学職員は奨学金の支給が停止されたことを否定し、不払いは書類事務の遅れによって引き起こされたと、インディアン・エクスプレス紙に語った。
学生寮からの追放については対立する説がある。ある人たちは、それが政治活動に対する仕返しだと主張し、またある人たちはそれは彼がダリットだという背景と関連があると主張している。
南インド教会は、「ロヒト・ベムラさんが直面した凶悪なカーストに基づく差別を理由とした、彼の自殺は、インドに衝撃をもたらし、ダリットや他の周縁化された社会出身の学生たちが高等教育機関で苦しんでいる差別が続いていることを前面に出した」と述べている。
ディバシバダム博士がハイデラバードにいるベムラさんの母親を訪ねた後、同博士は記者会見を開き、そこでその家族に対する同教会の連帯を表明した。同博士はまた、学校や高等教育機関における、カーストに基づく差別を減らすために、ロヒトさんの家族のために正義と厳重な措置を要求した。
これについては、南インド教会シノッドも1月31日に公式サイトのニュースで伝えている。また、インドの学生キリスト教運動(SCM)も同月23日にベムラさんと連帯してバイクに乗って集まる集会やろうそくの火を灯す行進を行ったことを、同29日に公式サイトで写真入りで伝えた。
一方、インド・カトリック司教協議会(CBCI)の「指定カースト/後進諸階層事務所(SC/BC)」も1月17日、「ダリットの学者であったロヒト・ベムラさんの自殺に対して責任のある人々を非難」し、「社会におけるカースト差別の根絶」を求めた。
そしてCSIも加盟しているインド教会協議会(NCCI)も1月30日、同協議会の事務所がある同国中西部のマハーラーシュトラ州の都市・ナグプールで、何千人もの人たちが黒いリボンを口のまわりに着けて大通りで平和行進を行い、ベムラさんの死に抗議したことを、3日に公式サイトで写真入りで伝えた。NCCIによると、このリボンは抑圧され権利を否定されたベムラさんのように周縁化された人々の声を象徴的に示すために着けられたのだという。