架空の人物を雇用しているよう装い、日本年金機構に健康保険証を交付させだまし取ったとして、韓国籍の無職・李虎稔(イ・ホイム)=住所不定=と職業不詳・河野誠(42)=福岡県田川市=の両容疑者が、有印私文書偽造・同行使と詐欺の容疑で逮捕された。国内の複数のメディアが伝えた。
産経新聞や毎日新聞によると、李、河野両容疑者は、福岡県北九州市で実体のない人材派遣会社を設立。「埼玉県在住の50代男性」という実在しない架空の人物を雇用したように装い、書類を作成し、日本年金機構に提出。昨年8月ごろ、男性とその家族名義の保険証4通をだまし取った疑いが持たれている。
李容疑者の自宅からは約360通の保険証が見つかり、その多くが架空の人物名義のものだったという。李、河野両容疑者は他にも十数社のペーパーカンパニーを立ち上げ、同様の手口で不正に保険証をだまし取っていたとみられている。
容疑について、河野容疑者は否認しており、李容疑者は「弁護士と相談して答える」(テレビ朝日)などと話し黙秘している。
毎日新聞によると、日本年金機構から保険証を受け取るためには、基礎年金番号などの情報を書類に記載する必要がある。李、河野両容疑者は、基礎年金番号を何らかの方法で不正に入手したとみられている。
不正に取得された保険証の一部は、銀行口座の開設や携帯電話の入手などに悪用されたとみられている。
日本年金機構は「事実関係を確認中でコメントできない」(TBS)としている。
李虎稔容疑者の読みについては、テレビ朝日は「イ・ホイム」としているが、TBSは「リ・トラトシ」としている。