健康保険証の番号や加入者の氏名や性別など個人情報約10万3千人分が流出し、名簿業者が一部を転売していたことが、29日までに分かった。流出した情報は大阪や奈良、滋賀など近畿や四国に集中しているが、リストに記載された個人情報は沖縄を除く46都道府県に及ぶという。専門家は、医療関連の情報漏えいではこれほどの規模のものは過去に例がないと話している。東京新聞などが伝えた。
同紙や産経新聞によると、流出した情報は都道府県別では、大阪府が約3万7千人、奈良県が約2万5千人、滋賀県が約2万4千人と、3府県が約8割を占めている。
流出した情報は、氏名、性別、生年月日、保険種別、保険者番号、被保険者の記号番号などで、一部では電話番号や住所も含まれているという。また、医療費の自己負担額を算定する際に用いられる老人保健(当時)の区分や、生活保護などの公費負担を示すとみられる欄もあったという。
一方、リストにあったのは2005年3月以前に生まれた人の情報だった。また、75歳以上の人に後期高齢者医療制度に基づく番号が付与されていないことから、同制度が施行された08年4月以前のデータとみられるという。東京新聞によると、名簿業者は、リストを08年12月にブローカーから購入したと話している。
厚生労働省の担当者は、医療機関や薬局で作成した患者のリストが流出した可能性があると話しており、調査を始めたという。