三菱東京UFJ銀行は30日、出会い系サイトなどの運営者の預金口座に利用料金などを振り込んだ人の電話番号が漏えいし、一部が架空請求詐欺に悪用されたことが判明したと発表した。報道によると、漏えいした電話番号は約1万4000件に上る。
三菱東京UFJ銀行によると、出会い系サイトの運営者が同行に開設している口座へ振り込む際、「振込依頼人名」として、自身の電話番号を入力したことがある場合、その電話番号がサイト利用料などの架空請求詐欺に悪用される恐れがあるという。
NHKによると、三菱東京UFJ銀行にデータが残っている今年4月下旬から半年分の記録を調査したところ、出会い系サイトなどの運営者が保有する47の口座に不正アクセスがあり、これらの口座に振り込みをした人の約1万4000件の電話番号が漏えいした可能性が高いという。
一方、三菱東京UFJ銀行によると、不正アクセスがあったのは、出会い系サイトなどの運営者の口座のみで、それ以外の口座からの電話番号の漏えいは確認されていないという。また、漏えいした電話番号は、「日中連絡のつく電話番号」として登録している番号とは違うものだという。
今回の漏えいは、三菱東京UFJ銀行のシステムの不備を悪用されたものだという。漏えいした電話番号に架空請求の電話があったという警察からの情報提供で判明した。
三菱東京UFJ銀行では、電話で取り引き状況の確認に応じるサービスを行っているが、通帳を発行しない口座では、電話で取り引き状況を確認した場合、ある特定の数字を入力すると口座開設者だと誤認し、第3者でも取り引き状況を確認できる不備があった。この不備は既に10月下旬に解消されているが、このサービス自体は2004年2月から提供しているもので、実際に漏えいした電話番号の件数はさらにある可能性がある。
三菱東京UFJ銀行では、この件に関する問い合わせ窓口を設置している。問い合わせは、同行照会センター(フリーダイヤル:0120・651・707)まで。受付期間は、12月6日(日)までは毎日午前9時〜午後9時、12月7日(月)以降は祝日と12月31日を除く月〜金曜日午前9時〜午後5時。