一方、米クリスチャンポストは次のように報じた。
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8800万人の会員を代表する指導者たちは、神学的にリベラルな神学的立場をとる米国聖公会に対し、同性婚擁護の姿勢を理由に会員資格の停止処分をした。
カンタベリー大主教が主催した首座主教会議において、世界中の聖公会を代表する指導者たちは14日、米国聖公会の会員資格停止を発表した。
「聖書の教えから見た教会の伝統的教義は、結婚が一人の男性と一人の女性の間の誠実で、終身的な結合だということを支持しています。参加者の多くは、この教えを再確認しました」と首座主教会議は発表した。
「米国聖公会が結婚についての教会規約の変更を尊重している現在の歩みは、結婚の教義について当団体の多数派が支持している信仰と教えから彼らが根本的に離れていることを表しています。他の地域でもこのような歩みがある可能性があり、この状況をさらに悪化させかねません」
首座主教会議はまた、アングリカン・コミュニオンに属するすべての国の教会が「共に歩むことが一致した希望」だとしつつも、米国聖公会は同性愛について伝統的な教えから遠く離れているため、会員資格を停止されると発表した。
「アングリカン・コミュニオンは、3年間米国聖公会の会員資格を停止することを公式にお知らせします。その期間米国聖公会は、アングリカン・コミュニオンの会員として全キリスト教会の、また異宗教間の集まりに参加することができず、内部の委員会の委員に指名されたり選出されたりすることもなく、アングリカン・コミュニオンの活動に参加は可能ですが教義や組織に関する問題での意思決定に参加することもできません」
過去数年間、アングリカン・コミュニオンの内部では神学的保守派とリベラル派の間で激しい議論が続いている。
この論争の大きな焦点は、米国聖公会が同性愛者であることを公言しているジーン・ロビンソン主教を2003年に按手したことなど、同性愛を広く受け入れていることにある。
昨年9月、ジャスティン・ウェルビー大主教は、分裂の可能性を回避するため、コミュニオンの全ての首座主教の会議を招集することを発表した。
「全ての首座主教に対し、最近の発展について考慮する必要があるとはいえ、コミュニオンとして、特に首座主教としての働きを見直し、過去の発展にも特段の注意を払うよう提案しました」とウェルビー大主教。
「私たちの社会と文化の違い、また北の先進国で顕著な文化の変化の速さは、聖書の命令、イエスの祈り、教会の伝統、神学的理解から一致を勧められるこの時にあって、キリスト教徒を引き裂こうとしています。21世紀のアングリカン・ファミリーは、私たちがともにイエス・キリストの黙示に真実である限り、深い不一致と相互批判をも受け入れなければなりません」
保守派の出版社「アングリカン・インク」によると、同じく神学的にリベラルなカナダ聖公会の会員資格をも停止するための努力がなされたともいう。
「カナダのフレッド・ヒルツ大主教は集会の中で、カナダ聖公会はまだ同性婚の儀式を地方まで適用していないと話しました。カナダ聖公会の総会の前には行うでしょうが、決まっていません」とアングリカン・インクのジョージ・コンガー氏は語った。
「ヒルツ大主教の説明は、提案された動議とそれに伴う米国聖公会をめぐる議論についてそのグループを満足させたようです」
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