カナダ・トロントのヒョン・スー・リム牧師が、北朝鮮の裁判所で終身刑に処されたことを受け、千人以上の支援者が20日、祈りと支援のために教会に集まった。
徹夜祈祷会はトロント郊外のミシサガにあるライト・コリアン長老教会で開かれ、ジェイソン・ノー氏は参加者に対し、厳しい判決にもかかわらず、リム牧師が「本当にいい霊的状態にある」と述べた。
「彼は本当にいい霊的状態にあり、・・・平安のうちにいるようです」と、ノー氏は集まった参加者に語った。
2月から勾留されているリム牧師は先週、共産主義体制の転覆を企てたとして無期労働強化刑(終身刑)を言い渡された。
国営通信社の朝鮮中央通信が発表した声明によると、リム牧師は「北朝鮮の体制に反する宗教活動を行い、海外の同胞に偽のプロパガンダを行い、『脱北者支援』のプログラムを通して米国と(韓国の)保守派が北朝鮮の人民を惑わし、誘拐する活動において積極的な役割を担った」として有罪判決を受けた。
リム牧師の収監を受けて、ライト・コリアン長老教会のスポークスパーソンのリサ・パク氏は、ジャスティン・トルドーカナダ首相に対し、リム牧師の解放に向けて積極的な行動を取るよう呼び掛けた。
リム牧師の家族のスポークスパーソンでもあるパク氏は、CBCニュースに対し、「トルドー政権に対し、この件に取り組み、積極的に励み、できる限りの全てのことをしているという姿勢を見せてくださるようお願いいたします」と述べた。
「もしその保証をしてくださるなら、私たちは、この問題を扱い、高い優先度をもって取り組む努力を全面的に支援します」とパク氏。
教会は20日の徹夜祈祷会の中で、リム牧師が在北朝鮮カナダ領事館と連絡を取ることができるようになったこと、またカナダの外交官とコミュニケーションを取ることができたことを報告した。
パク氏は「トロント・スター」に対し、リム牧師の家族が「『リム牧師は大丈夫だ』という、北朝鮮だけでなく、カナダ当局の職員ともコンタクトを取ることができてほっとしています」と語った。
カナダ外務省のフランソワ・ラサール報道官は、北朝鮮がカナダ当局の職員が定期的にリム牧師に面会することを拒否したことにより、領事関係に関するウィーン条約に違反したとの声明を発表した。
ラサール報道官は最近のニューヨークタイムズとのインタビューで、「リム氏は2月から勾留されており、複数の要請にもかかわらず、カナダ当局の職員は彼の健康状態を確認するために面会することを許されませんでした。この裁判が、彼に会う初めての機会でした。このことは、領事関係に関するウィーン条約に対する深刻な違反であり、領事がその国民に会う権利の侵害です」と語った。
パク氏はCNNの取材に対し、残酷な刑罰を受けるにもかかわらず、リム牧師が誠実でいると語った。
「彼は、会衆が自分のために祈っていることを知っています。自分が大丈夫だということを知ってもらいたいとのことです」と、パク氏は報道機関に語った。