ニューヨーク市のホーリー・チャイルド・ジーザス・カトリック教会で11月23日、展示されていたキリスト降誕場面の飼い葉おけに置かれていた新生児の母親は、匿名でニューヨーク・ポスト紙に対し、「もし神の手に委ねたなら、赤ちゃんは助かると知っていました」と話した。
メキシコから米国に移住したばかりの18歳の母親は、妊娠中に10ポンド(約4・5キロ)しか体重が増えなかったので、同居しているおばさえ彼女が妊娠していることに気付かなかったという。
「耐え難い」陣痛の後に出産。怖くてへその緒を切ることができなかった上に、乳児の服を持っていなかった。同教会に向かう途中、子どもの唇が紫になったので、急いで店に駆け込み、子どもを包むためのタオルを購入した。
「赤ちゃんは泣いていました。私はただ、赤ちゃんが十分暖かくしていることを祈りました。神父様が見つけてくれるか、そうでなければ誰かが助けてくれるだろうと思っていました」と語った。
新生児を匿名で教会、病院、警察、消防署に遺棄することは犯罪に問われないという「赤ちゃん避難所法(Safe Haven Law)」の規定に当たることから、警察は母親を訴追しないことで合意している。
乳児は、外に昼食を買いに無人の教会を出た守衛によって発見された。守衛は、乳児が泣き始めるまで存在に気付かなかったという。
母親は、乳児を引き取るかどうかをまだ決めておらず、責任を取るためには安定した雇用が必要だと述べた。しかし、同教会のクリストファー・ヒーヌ神父によると、教会員のある若い夫婦が、「この教会に対する神からの尊い贈り物として」乳児を養子に迎えたいと強く望んでいるという。「このことは、大きなクリスマスの奇跡となるでしょう」とヒーヌ神父は語った。
「この女性が、必要のある人の家となっているこの教会を、彼女の子どもの家として見いだしたことは、素晴らしいことです」