大阪市大正区にある障がい児施設「ビックハート」の女性スタッフが、児童らの頭をたたくなどの虐待をしていたとして、大阪市が行政処分を視野に調査を進めていることが、29日までに分かった。共同通信が伝えた。
同通信によると、今年9月に虐待があると情報提供があり、大阪市がビックハートの施設側関係者や利用者に聞き取り調査を行ったところ、女性スタッフが児童ら男女5人に、頭をたたくなどの虐待をしていたことが認められたという。中には、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された15歳の少年もおり、警察に被害届を出すことも検討しているという。
児童福祉法では、障がい児向け施設も含めた児童の福祉を担当する公的機関や組織、各種施設に関する基本原則を定めており、その中で障がい児施設職員などによる児童に対する虐待(被措置児童等虐待)について定めている。
同法は、被措置児童等虐待として、1)身体に外傷が生じ、または生じる恐れのある暴行を加えること(身体的虐待)、2)わいせつな行為をすること、またはさせること(性的虐待)、3)心身の正常な発達を妨げるような著しい減食または長時間の放置、同居人もしくは生活を共にする他の児童による虐待行為の放置、その他の施設職員としての養育または業務を著しく怠ること(ネグレクト)、4)著しい暴言または著しく拒絶的な対応、その他著しい心理的外傷を与える言動を行うこと(心理的虐待)、の4つを挙げ、これを禁止している。