政府・与党が、秋の臨時国会の召集を見送る方針で調整している。複数の国内メディアが16日伝えた。通常国会が、95日の延長を含め戦後最長となる245日間に及んだことや、首相の外遊日程が立て込んでいることなどが理由だと伝えられている。一方、野党は、臨時国会を開き、大筋合意した環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の審議などを求めている。
実際に臨時国会が召集されない場合、この時期に臨時国会が開かれないのは小泉政権下の2005年以来10年ぶり。安倍晋三首相は15日、首相官邸で谷垣禎一・自民党幹事長と会談し、谷垣氏は会談後、臨時国会の召集見送りを滲ませる発言をしたという。
これまでの報道によると、安倍首相は10月下旬にカザフスタンなど中央アジア5カ国を歴訪、11月1日には3年半ぶりとなる日中韓首脳会談が韓国ソウルで開催される方向で調整されており、15、16日にはトルコで主要20カ国・地域(G20)首脳会議、18、19日にはフィリピンでアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議、21、22日にはマレーシアで東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議などが予定されている。
臨時国会は、憲法53条が「内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」と定める、臨時に召集される国会。衆参いずれかの議院で議員4分の1以上の要求があれば、臨時国会を召集しなければならないと定められているが、要求後いつまでに召集を決定しなければならないか期限が定められていないため、通常国会が近い場合など、事実上見送りとなることもあるという。