日本キリスト教協議会(NCC)副議長の一人である矢萩新一司祭(日本聖公会管区事務所総主事)は、NCCの公式サイトに、「信仰による抑止力を」と題する文章を掲載した。矢萩司祭は、今月19日に成立した安保関連法について触れ、同法を含め全ての法律の上に憲法が存在すること、また戦争放棄をうたう憲法9条は変えられておらず、憲法に反する法律は効力を持たないことを指摘。「憲法違反であることを訴えていかなければなりません」「武力による平和がありえないことは歴史が証明している」などと述べた。
また、米ニューヨークの国連本部前の広場にある壁に刻まれている、イザヤ書2章4節の言葉「彼らは剣を打ち直して鋤(すき)とし、槍(やり)を打ち直して鎌とする。国は国に向かって剣を上げず、もはや戦うことを学ばない」が、「世界最古の平和主義を貫く言葉」だと言い、この言葉が「『信仰による抑止力』として当たり前の世界標準になることを願います」と述べた。
一方、NCCの加盟教派・団体からも、同法に抗議する声が相次いで出された。
日本福音ルーテル教会社会委員会は18日、「国家安全保障関連法案の成立と憲法改定についての見解」を公式サイトに掲載。「私たちは、武力による平和実現ではなく、愛と祈りにおいての平和の実現を求めます。具体的には、武力による力の均衡を保つという方法ではなく、国際社会における人的交流や対話による相互共存の形成が重要であると考えます」などと述べた。
日本聖公会は20日、「『安全保障関連法』の強行採決に抗議し、同法の廃止を断固求めます!」と題する声明を公式サイトで発表。日本バプテスト同盟も同日、山本富二理事長名で、「私たち日本バプテスト同盟理事会は、この集団的自衛権の行使を認める安全保障関連法案を認めることは、絶対にできません」などとする「安倍内閣総理大臣への手紙」を公式サイトに掲載した。
さらに、日本キリスト教婦人矯風会は21日、公式サイトで「立憲主義、民主主義を破壊した安全保障関連法の強行採決に強く抗議します」と題する声明を掲載した。