米議員らによると、教会や他の宗教団体を内国歳入庁や他の連邦政府による制裁から守るための法案が、流れをつかんでいるという。しかし、その信教の自由に関する法案には、民主党からはまだ1人しか共同提案者が出ていない。
保守系の議員団体「自由を求める幹部会」の共同設立者で、アイダホ州選出のラウル・ラブラドール下院議員(共和党)は、合衆国憲法修正第1条援護法案(法案2802号)への支援を呼び掛けている。この法案は、同性婚に反対する教会や宗教団体を、発生し得る内国歳入庁からの制裁や迫害から守ることを目的としている。
米国の「第一の自由」は、今日の文化的状況や性の権利に関する新しい理解が進むなか、もはや過去のものではない。この合衆国憲法修正第1条援護法案は、連邦政府にのみ効力を持ち、州を拘束するものではない。保守派の議員たちは、この法案が同性婚の結婚式への参加を拒んだことを理由に市民を迫害している州に対し、一つの例となることを期待している。
米ニュースサイト「インディペンデント・ジャーナル・レビュー」に掲載された記事で、マイケル・ニーダム氏とライアン・T・アンダーソン氏は、もし米国において信教の自由を継続したいのならば、この法案を通過させるべきだと述べた。また彼らは、「この保障が法令として文書化される必要があるというのは悲しいことですが、私たちはその程度なのです」と述べた。
米政治ニュースサイト「ザ・ヒル」によると、今月初めに約50人の共和党議員がこの法案に署名した。しかし、ラブラドール議員は過去に、より穏健な「主流派」の共和党の首脳陣と衝突したことがあるという。共和党首脳陣は保守派の下院議員に対し、委員職をはく奪したり、法案を取り上げなかったりすることで対抗している。オハイオ州選出で共和党のジョン・ベイナー議長は、信教の自由を守るためのこの法案に対しまだ審議をしていない。
同法案は現在、下院の監視・政府改革委員会と歳入委員会で審議されている。しかし、ラブラドール議員は、共和党の首脳陣が法案に賛成しないだろうと確信している。現在、同法案には100人以上の共和党の共同提案者がおり、下院の院内副総務を務めるスティーブ・スカリス議員の支持も得ている。
テキサス州選出のロジャー・ウィリアムズ下院議員はザ・ヒルに対し、「(法案には)メリットがあるべきで、私はこの法案には確実にメリットがあると信じています」と語った。
ユタ州選出で共和党のマイク・リー上院議員は先週、米NPRラジオに対し、この法案が信教の自由の見地からは「特に重要」で、「法案は禁止条項を作ることでそれ(信教の自由)を守ることを目的としています」と述べた。リー議員は、上院で法案への支持を得るために活動している。
ジョージア州選出のバリー・ラウダーミルク下院議員も法案の共同提案者に名を連ねている。ラウダーミルク議員は声明を発表し、「合衆国憲法修正第1条援護法案は、政府からの不当な扱いに対する法案で、宗教的信仰を理由に政府が処罰したり、迫害したりすることから、全ての米国人を守るものです。あなたが同性婚に賛成するか反対するかという問題ではありません」と語った。
「焦点となっているのは、私たちが個人の良心の権利を守る国であり続けるか、それとも政府によって指図された一般常識のシステムに屈服することを、全ての人に強制するような国になるかということです」
ザ・ヒルによると、イリノイ州選出のダン・リピンスキー下院議員は、この法案の共同提案者となった唯一の民主党議員だ。このことはラブラドール議員にとって、共和党の他の下院議員にこの法案を通過させるよう圧力をかける動機となっている。
ラブラドール議員は以前、カリフォルニア州選出で現下院多数党院内総務のケビン・マッカーシー下院議員とその院内総務のポストをめぐって争ったことがある。そして今は、下院の採決のスケジュールを管理するマッカーシー議員の恩義を受けてもいる。下院の「自由を求める幹部会」は約40人のメンバーがおり、特に予算に関することではしばしば共和党の首脳陣と対立する。
バラク・オバマ米大統領自身は先月、「善意の米国人はこの問題について、多様な見地を保持し続けます」と語り、また「異なる見地」への支援と「信教の自由に対する私たちの深いコミットメント」について繰り返し述べていた。
民主党議員の中には、この法案が同性愛者である市民を差別すると主張し、支持することはできないという議員もいる。法案が通過したとしても、大統領が手ごわい同性愛者の市民活動家に反して法案に署名するかは定かでない。