アジアキリスト教協議会(CCA)は10日、「CCAは、インドの修道女やクリスチャンに対する襲撃に関する憂慮を提起する」と題する英文記事を公式サイトに掲載した。これに先立ち、インドのカトリック司教協議会も1日、「修道女に対する残虐行為はやめるべきだ」とする英文記事を公式サイトに掲載。無原罪のマリアのサレジオ会に所属する47歳の修道女が6月19日に2人の男によって襲撃され暴行された事件と、同国東部の西ベンガル州ラナガートで72歳の修道女が3月15日に集団暴行を受けた事件に抗議する集会を、7月1日に開催したと発表した。CCAの記事はこれらの事件を受けて掲載されたもの。
CCAは「インドの修道女やキリスト教宣教者に対する性的襲撃の増大や、司祭や教会、キリスト教団体に対する襲撃に、深い悲しみと憂慮を表す」と述べるとともに、「私たちはインドの教会と手をつなぎ、インドの宗教的少数者に対するこれらの残虐で暴力的な行為を非難する」と述べた。そして、「女性や宗教的少数者に対する暴力事件は、インドの安全に関する深刻な問題を提起しているとともに、同国のイメージを汚している」などと付け加えた。
その上でCCAは、インド政府に対し、▼宗教的少数者とその権利保護のための十分な安全対策を取ること、▼宗教に基づく女性に対する暴力や女性と子ども全般に対する襲撃を彼女たちの重大な人権侵害と見なすこと、▼犯人逮捕に特別な関心を持つこと、▼警察の説明責任を確実なものにすること、を求めた。
一方、同国中部のチャッティースガル州教会協議会が教会や女性団体などを団結させて、同国の少数者であるキリスト教徒の女性に対する残虐行為に抗議し抵抗しているという記事を、全インド・キリスト教女性協議会幹事のモウミタ・ビスワス氏が8日、インド教会協議会(NCCI)の公式サイトに、「暴力のただ中にある希望」と題して掲載した。
「クリスチャンに対する残虐行為がインドで異常な速さで増大しつつある。このような残虐行為の最悪の被害を受けているのは、地域社会や貧しい人たち、虐げられた人たちに献身してきた草の根の女性や宣教者たちだ」と、CCAの元職員でもあるビスワス氏は記し、6月19日の修道女暴行事件に言及した。そして、「『戦略化された強姦(ごうかん)』が、恐怖や恥を生み出し、インドでは少数者であるキリスト教徒の社会に屈辱を与えるための武器として使われている」と非難した。
インド・クリスチャントゥデイが8日に報じたところによると、同国中西部マハーラーシュトラ州の都市ナグプールでは、その2週間前に同州の別の都市ライプールで性的暴行を受けた修道女との連帯を表そうと、ろうそくを灯して祈る礼拝が行われた。また、6月21日にライプールで開かれた集会には推計で3000人が集まり、早急な犯人逮捕を要求した。