銃乱射事件で牧師ら9人が殺害された米サウスカロライナ州チャールストンにあるエマニュエル・アフリカン・メソジスト監督(AME)教会の新しい牧師に就任したノーベル・ゴフ牧師が、日曜日の21日、事件後初の礼拝を執り行った。またこの日、同教会が所属する教派であるAME教会の各地の教会では、多くの牧師が赦(ゆる)しについて説教した。
「教会の扉は開かれています。どんな悪人も、地獄や地上にいる悪霊も、神の教会の扉を閉じることはできません」。米CNNによると、AME教会の同州第7教区の指導的立場にあるゴフ牧師は、礼拝でこう会衆に語った。ゴフ牧師は、新しい牧師が就任するまでの間、暫定的に同教会を牧会する。
ゴフ牧師は礼拝の中で、「信仰によって、私たちはここに立っており、ここに座っているのです。困難の時です。つらい時です。率直に怒りを表す人もいます。しかしこの全ての出来事の中で、神が支えてくださいます。仲間の多くが私たちに何か奇抜なことを起こし、暴動を起こすことを期待しています。えぇ、彼らはただ、私たちを知らないだけです」と語った。
ゴフ牧師はまた、「私たちは世界に対し、人々が共に集まり、祈り、やるべきことをやることができるということを示してきました」と述べた。
そして行動を起こすよう呼び掛けた。「曲解しないようにしましょう。私たちは正義を追求しますし、慎重になりますし、私たちの選んだ政府の人々に対して責任をもって正しいことを行うよう働き掛けます。マザー・エマニュエルで殺害された9人の血は、この事件で正義が行われる時までではなく、ぎりぎりのところに生きている人のために働くよう私たちに求めています」
ゴフ牧師は2004年まで、ニューヨークのベイバーAME教会の牧師を務めていた。
全米有色人種地位向上協会(NAACP)のロチェスター支部長で、ベイバーAME教会に30年在籍しているエドワード・グールズビー氏は、「WCNC.com」に対し、ゴフ牧師は「肩に重荷を背負っている」が、その新しい責任を務めることができるだろうと語った。
「その職はとても難しいものです」とグールズビー氏は言い、「国中の人々がゴフ牧師と話し、またコミュニティーのために祈るために連絡をしてきています。ですから、彼は政治的にも個人的にも、その肩に多くを背負っています。私たちの祈りは彼と彼の家族と共にあり、ゴフ牧師が力を得られるよう祈ります」
エマニュエルAME教会は米国南部で最も古い教会で、「マザー・エマニュエル」とも呼ばれる。世界中には8000以上のAME教会があり、バージニア州ノーフォークにある聖ヨハネAME教会もこの日、会堂は礼拝に参加する人で満員となった。ジョン・バートン牧師は日曜礼拝の説教の中で、赦す必要を強調した。
「WAVY.com」によると、バートン牧師は会衆に「悪はどこにでも行くものです」と言い、「教会だろうと、ホワイトハウスだろうと、州議会議事堂だろうと、違いはありません。悪はただ入ってきます。ここで起きていたかもしれません。毎週水曜日の夜、私たちは祈祷会を開いています」と話し、今回のような事件がどこででも起こり得ることを語った。
そしてバートン牧師は、悪に対する勝利は赦しから来ると語った。「私たちは受動的になりました。今こそ能動的になる時です。私たちは、傷ついている多くの人がここの外にいるという事実から始める必要があります」
一方、バートン牧師は、教会の警備を見直すことを議論しているとも述べた。