中国正教会の最年長司祭であったミハイル・ワン(王泉生)司祭が2日、90歳で永眠した。ロシア正教会が4日、公式サイトで伝えた。ワン司祭は6日に埋葬され、この最年長の中国人司祭に最後の表敬をしようと、サンクトペテルグルク神学院の神学生であるアレクサンダー・ユー・シ輔祭を含め、中国全土から正教徒が集まった。
1924年1月27日生まれのワン司祭は、上海のシメオン・ドゥ主教により、58年に叙聖された。
2008年の聖神降臨祭(ペンテコステ)には、中国当局の許可を得て、ロシア領事館で行われた聖体礼儀に参列。前モスクワ総主教アレクシイ2世により、中国正教会の自治的地位50周年記念との関連で、ラドネジの克肖者聖セルギイのメダル1等を授与された。それ以来、ワン司祭は上海のアレクシイ・キセレフ大主教が執り行う聖体礼儀に加わっていた。
高齢でしかも隠退している身であるにもかかわらず、ワン司祭は中国における正教の復興において積極的な役割を担った。09年9月には、内モンゴル自治区のラブダリンにあるイルクーツクの聖インノケンティ教会を聖成。また、黒竜江省ハルビン市にある生神女庇護聖堂の主任司祭だったグリゴリイ・シュウ・シプ司祭が00年に永眠した後、ワン司祭は10年に同聖堂で復活大祭(イースター)の聖体礼儀を執り行った。
11年6月には、上海にある聖ニコライ教会でモスクワ総主教庁渉外局長であるボロコラムスク府主教イラリオンと共に聖体礼儀を執り行った。イラリオン府主教は、ワン司祭や中国の他の正教徒らに感謝を示し、「彼らはあらゆる苦難や障害にもかかわらず、正教の信仰を保ってきた」と述べた。
現モスクワ総主教キリルは、13年に中国を初公式訪問し、同年5月15日には、聖体礼儀を上海にある大聖堂で執り行った。ワン司祭は多くの参列者が参列する中、キリル総主教と共に聖体礼儀を執り行った。キリル総主教は中国正教会の聖職者であるワン司祭とエバンゲル・ルー・ヤフ長輔祭、パピー・フー・シリアン副輔祭に対し、高齢にもかかわらず、彼らが大きな内なる力を持っていると語り、全ての中国人と共に歴史において多くの試練を経験し、中国とこの聖なる教会の信仰復興(リバイバル)を証ししていると述べた。ワン司祭は上海の正教共同体の精神的な指導者であり、新しい中国人司祭たちの指導のために尽力した。
ワン司祭と個人的に交流のあったキリル総主教とイラリオン府主教は、ワン司祭の夫人に弔文を送った。