ルネッサンス時代の代表的芸術家であるレオナルド・ダ・ヴィンチの、イエスと12弟子が共に食事をする場面を描いたの名画「最後の晩餐」が27日から、160億画素という超高解像度でネット公開されることになった。イタリアのデジタル画像処理会社「HAL9000」が、ニコンや米AMDなどの技術協力得て実現させたという。
現在、通常のデジタルカメラの最高画素はほぼ1000万画素であるため、今回公開された「最後の晩餐」はその1600倍の鮮明さとなる。年間30万人が鑑賞に訪れ、鑑賞時間は15分と限られている同画であるが、「Haltadefinizione」と名付けられた同プロジェクトによって、インターネット回線につながっていれさえすれば世界中のどこからでも無料で鑑賞出来ることになる。
15世紀にミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の食堂の壁に描かれた「最後の晩餐」は、1977〜99年にかけて20年以上に渡る大修復作業が行われ、1980年には国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されている。この名画をデジタル画像として保存し、かつ世界へ広く公開しようと、伊文化財保護局文化庁長官や、ミラノの地形保存局代表者らと今年初めに行われた話し合いによって、同プロジェクトが始まった。
撮影は今年5月7日に、ニコンの「D2Xs」を用いて行われ、実に1677枚のデジタル画像が撮られた。それらを合成した画像は161億1803万5591画素(17万2181×9万3611画素)という超高解像度。見たい場所をクローズアップし、最高1平方ミリメートルのレベルで鑑賞できる。
サイトでは「最後の晩餐」の他に、ガウデンツィオ・フェッラーリの描いた「キリストの一生」(86億画素)、アンドレア・ポッツォの「サン・ティニャーツィオ聖堂」(98億画素)なども公開されている。「最後の晩餐」はイタリア語、英語、日本語で公開されており、撮影風景も見ることが出来きる。
160億画素で再現された超高解像度の「最後の晩餐」は、サイト「Haltadefinizione」まで。