日本キリスト教協議会(NCC)は27日、南太平洋のバヌアツ共和国が13日にサイクロンにより甚大な災害を受けたことで、被災者への緊急支援のための募金を呼び掛けた。
それによると、同国南部のタンナ島を中心に、死者は20日の段階で17人にのぼり、家屋やプランテーションの崩壊、食料不足など深刻な状況が続いており、全容の判明までになお1週間ほどかかる見込みだという。
「被災者が一日も早くこの困難な状況を脱し元の生活に戻ることができるよう祈りつつ、支援の呼び掛けを決定いたしました」とNCCは述べている。
NCCとしての募金目標額は特に定めないが、NCCを含む世界教会協議会(WCC)などの関連団体が構成する国際的な緊急支援組織「ACTアライアンス」は、ACTから加盟団体への依頼総額を63万8302米ドル(約7600万円)としているという。
20日付のアピールで、ACTアライアンスは、バヌアツの大部分が荒廃し、とりわけ同国南端のタフェア州にある、イロマンゴ島やタンナ島を含む83の島々、及びサンマ州やペナマ州、トルバ州が憂慮されているとしている。
そして、ACTの加盟団体であるACTフォー・ピースやその他のオーストラリアの加盟団体とその協力団体が、食料や水、衛生、教育、保健、福祉、既存のプロジェクトとの連携、女性を力づける支援を計画していると説明している。
募金期間は2015年9月30日まで。送金先は、NCC(郵便振替:00180−4−75788、加入者名:日本キリスト教協議会)。通信欄に「バヌアツサイクロン被災者支援」と記入のこと。詳しくはNCC(〒135−0016東京都江東区東陽2−3−1−216、電話:03−6666−8760、FAX:03−6666−8766)まで。
なお、国連人道問題調整事務所(OCHA)が30日に公式サイトで伝えたところによると、バヌアツ人道支援調整官のオスナット・ルブラニ氏は30日、「全ての島々が食料や水・医療の提供を必ず受けるようにするために、取り組みを拡大する必要がある。まだ緊急事態は終わっていない」と語り、二次的な緊急事態がバヌアツを襲いかねないと警告したという。
また、バヌアツ政府は、サイクロンによる被災から2週間経っても、物資輸送上の問題が原因で食料などの援助が全く届いていない地域があることを認めたと、ラジオ・ニュージーランドが27日と28日に報じた。
一方、今回のバヌアツ被災についてACTアライアンスは、災害の危険性減少とともに気候変動の問題としても位置づけている。