HIVウィルス感染者、エイズ発症者数の合計が約170万人ともいわれる中南米について、国連合同エイズ企画(UNAIDS)コーディネーターのアルベルト・ステラ氏は22日、同地域のHIVウィルスの急速な感染拡大の一因として、ローマカトリック教会の避妊禁止があるという見方を示した。ロイター通信が同日伝えた。
同通信によれば、ステラ氏は性教育を受けていない若者が感染拡大に寄与していることは事実であるとしながらも、「中南米ではコンドームが悪者扱いされているが、もし使われていたなら、地域の感染拡大は解決されることを保証する」と述べた。
UNAIDによると、中南米ではHIVウィルス新規感染者数が04年では約32万人であったが、06年には約41万人に増加し、近年急速な広がりを見せている。一方、HIVウィルス感染者は全世界では約5000万人に達すると見られており、その約6割がサハラ砂漠以南アフリカに集中していると言われている。