キリスト教の宣教師としてナイジェリアで働く米国人女性が誘拐された。
AFP通信によると、ナイジェリア中心部にあるコギ州警察のソラ・コリンズ・アデバヨ報道官は、フリーメソジスト教団の宣教師フィリス・ソーター氏が、24日午前10時(日本時間同日午後6時)頃、同州エミウォロの街で、覆面をして銃を持った男たちに誘拐されたと発表した。
フリーメソジスト教団の公式サイトには、「今朝早く、ナイジェリアにいる当教団の宣教師フィリス・ソーター氏が、ナイジェリアのコギ州エミウォロにあるホープ・アカデミーから複数人によって誘拐されたとの報告を受けました」との声明文が載せられている。
その中で、デイビッド・ケンドール牧師は祈りを要請している。
「米国大使館、国務省、FBI(連邦捜査局)は地域当局と連携し、ソーター氏の発見と救出のために動いています。私たちは米国内の教会に、フィリス(・ソーター氏)の安全と迅速な解放のために共に祈ってくださるようお願いします」
ナイジェリアは世界で最も頻繁に誘拐が起きている国の一つで、犯罪組織が年に数百万ドルもの資金を稼ぐともいわれている。
犯罪組織はここ数年にわたって、ナイジェリア北部と中部において多くの外国人を誘拐した。情報筋によると、同州中心部は過激派組織「ボコ・ハラム」と連携したイスラム過激派の活動が少ないという。
米国務省は、報告は受けているがプライバシーの関係でこれ以上のコメントができないとしている。
フリーメソジスト・ワールド・ミッションのウェブサイトによると、ソーター氏は現地のリーダーシップ開発のため、またインターナショナル・チャイルド・ケア・ミニストリーズ(ICCM)の一員として働いていたという。「彼女はイコット・ントゥクにあるホープ・アカデミーとホープ・エクステンション・スクールの経理の責任者です」とウェブサイトにはある。
また、「遊牧民フラニ族との特別な友好関係によって、フィリス(・ソーター氏)はフラニ族の子どもたちとその親たちのために、他の学校を開校する機会を得ることができました。フィリスは聖書学校、ウェスレー福音神学校(WEST)で教鞭を執り、公衆衛生伝道と地域の女性の教育に貢献しています」と記されている。
今年1月20日付の最新のニュースレターで、ソーター氏はエヌグで新しい学校が開校した喜びをつづっていた。ニュースレターには、「この学校のために長く懸命に準備をしてきました。そして昨日2015年1月19日に、初めてこの学校のドアを開けることができて興奮しています」と書かれている。
「私たちは、82人、そうち58人がイスラム教徒の子どもたちと共に始めました。すぐそばのキャンプからのフラニ族の子どもたちです(2つ目のキャンプでも、子どもたちを送るための準備をしています)。私たちはフラニ族の子どもたちのために、ハウサ語を話す2人の優秀な教師を雇いました。フラニ族の保護者たちは素晴らしく協力的で、子どもたちと共に食べ物や水を送ってくれたり、PTAを組織してフラニ族から学校のために警備員を送ってくれたりしています。私たちには全体で6人の教師がいます。助手とチャプレンの兼任、会計係、運転手、そして『お母さんのお手伝いさん』がいます。みんな素晴らしいクリスチャンで、神の助けによって、この学校を素晴らしくしてくださる人たちです」