ローワン・ウィリアムス・カンタベリー大主教は、英国で妊娠中絶法が制定してからちょうど40年を迎えたのに合わせて、近年の社会では妊娠中絶が十分に考えられることなく行われつつあると懸念を示した。
ウィリアムス大主教は、英紙オブザーバーでコメントし、近年の社会では、妊娠中絶について「議論や裁判なども絡んでくる大きな道徳的選択の類ではなく、基本的には個人的な問題だ」とする考えが広がっていると指摘。家庭内で避妊薬が簡単に使用できるような方向に進んでいることを憂慮し、中絶によってどのような結果がもたらされるかより真剣に考える必要があると述べた。
英保健省が05年に発表したところによれば、英国内で行われた中絶件数は20万件とされている。一方、医学雑誌『ランセット』が行った最近の調査によれば、欧州では妊娠した女性の約3割が中絶しているという。