春節。それは中国の旧正月(今年は2月19日)で、現在でも中華圏では最も重要な祝祭日だ。新暦の正月(1月1日)よりも盛大に祝われ、中国や台湾、シンンガポールなどの中華圏の国々では春節を前後し、数日間から1週間程度の休暇期間となる。
東京・六本木に本部を置くインターナショナルチャーチ「ライフハウス」には、中国や台湾など中華圏出身の人々も通っており、22日には春節を祝うパーティーが行われた。
ライフハウスは、2002年に東京で活動を開始した教会。13年間で開拓した教会は16に上り(うち12は国内)、一昨年からは中華圏にルーツを持つ人々を対象としたコミュニティーもスタートした。毎週、通常の礼拝とは別に、北京語と日本語、または北京語と英語での礼拝が行われている。
教会で春節を祝うことについて、「一つのアウトリーチ(伝道)として行っています。留学や仕事で日本に来ていて、故郷に帰れない人たちのために企画しました」と、同コミュニティのリーダー、ジョシュア・エドワード・マックリンさんは言う。
ジョシュアさんは中国系のマレーシア人。中学生の頃から日本で暮らしており、現在家族と共に飲食店を切り盛りする傍ら、教会で奉仕している。
「私たちは自分たちの文化へのリスペクト(尊敬)を忘れないで持ち続けているし、家族や民族で一緒に共有して誇りをもって伝えていきます。文化によってやるべきこと、やっていけないことは変わるけど、自分の文化の中のクリスチャンとしてやって良いことは、もちろん捨てません。逆にやってはいけないことはやらない。パウロも、クリスチャンとしての正しさを失わない範囲で相手の文化を尊重していたように、聖書の正しい知識、神様の文化を継承することが必要」と語る。
現在、中国のさまざまな大学で、共産党を批判した教授が解雇されたり、200以上の教会が「違法建築物」として取り壊しの対象にされたことなども報道されている。また、香港では中国政府の方針に反対したデモ隊と警察が衝突した事件も記憶に新しい。一方で、中国での聖書印刷冊数は延べ1億2500万冊で世界一とも報じられている。
今回のイベントの趣旨についてジョシュアさんは、「神様に『新しい一年をくれてありがとう』と感謝して、教会の家族で祝うことが第一」と話す。「今年は未(ひつじ)年。天国では、1匹の迷った羊が家に戻ってきたら、99匹の迷わなかった羊を合わせたとき以上の喜びが起こると書かれている。だから『小小羊兒回家了(羊たちが帰ってきた)』が今年のテーマです」と明かしてくれた。
パーティーには出身民族に関係なく150人以上が集まり、餃子、回鍋肉、炒飯、麻婆豆腐など、世界中で親しまれている中華料理が振る舞われた。また、北京語と英語でのクイズ大会も行われ、外はまだ寒さが残る中、会場は暖房がいらないほどの熱気に包まれた。
参加した会社員の男性、李文松(リー・ウェンスン)さんは、「海外に出て行っても同じ故郷の人は特別親しみやすい。外国でもこうして交流を持てて、さまざまな人に知り合えてうれしい」とコメント。一方、別の会社員の女性、鄭蕊(ジェン・ルイ)さんは「現在、私の故国(中国)はクリスチャンにとって厳しい状況だけど、それでも神様のために働いてる人はいるし、人と人同士のつながりは断ち切れない。このつながりをさまざまな方法で広げていって、神様のことを伝えたい」と話してくれた。