過激派組織「イスラム国」が、日本人とみられる男性2人を人質に取ったとする映像を公開し、72時間以内に身代金2億ドル(約230億円)を支払わなければ殺害するとしている。
映像は「The Islamic State:A MESSAGE TO THE GOVERNMENT AND PEOPLE OF JAPAN(イスラム国:日本の政府と国民へのメッセージ)」という1分40秒のもの。映像では、イスラム国の戦闘員とみられる刃物を持った全身黒ずくめの男と、「HARUNA YUKAWA」「KENJI GOTO JOGO」とされる2人のアジア系男性2人が映っている。男性2人は、昨年8月からイスラム国に拘束されているとみられる千葉市の湯川遥菜(はるな)さんと、国際ジャーナリストの後藤健二さんとみられる。時事通信によると、外務省が映像の信ぴょう性を確認している。
後藤さんは、映像制作会社を経て独立し、1996年に映像通信会社「インディペンデント・プレス」を設立。近年では主にシリアで取材を重ねていた。昨年5月には本紙のインタビューに応じ、同10月にはコラムも執筆していたが、その後連絡が取れない状態が続いていた。
NHKが関係者の話として伝えたところによると、後藤さんは家族に「イスラム国に拘束された湯川さんを救出に行く。ただ、危険だからシリアには入国しない」と話していたという。しかし、NHKはまた、関係者の話として、後藤さんが複数のエージェントを介してシリアに入国していたという情報があると伝えている。