東京福音センター主催の「東京メリエスト・クリスマス2014」が18日、第二丸高ビル(東京都中央区)で開催された。東京福音センターは、松山に本部を置き全国8都市に福音センターを持つ、キリスト教会福音センターの東京支部。この日は、主任牧師の万代栄嗣氏によるクリスマスメッセージとライブが行われ、集まった参加者は共にクリスマスの喜びを分かち合った。
万代牧師は、学生時代、音楽バンドを結成してボーカルとして活動しており、プロデビューの話もあったほどだという。その賜物を生かし、現役牧師の今でも、オリジナル曲を多数含むゴスペルソングを歌い続けている。
オープニングでは、東京福音センターの聖歌隊が「10,000 Reasons」「We are the reason」を披露。心のこもったゴスペル・コーラスを参加者に届けた。
「クリスマスともなれば、美しい光で街中がきらめいていますが、牧師として、クリスマスの本当の輝きを皆さんと味わいたいと思います。クリスマスの主役はイエス・キリスト。それが今では忘れ去られていて、サンタが主役だと思っている人もいますが、クリスマスの本来の意味は『キリスト祭り』。イエス・キリストなしにはクリスマスは成り立ちません。この会場にクリスマスツリーやオーナメントはありませんが、確かにイエス・キリストがおられるクリスマスを共に味わいましょう」と登場した万代牧師は、このクリスマスの新曲「あなたといれば」や、37年前に作った「クリスマス・キャロル」などのオリジナル曲を多数歌った。
曲間のトークで、今年一年を振り返った万代牧師。固い信念を持ったクリスチャンが主人公に取り上げられることの多い近年の大河ドラマ。“おさわがせ”と呼ばれるさまざまな個人のニュースが世間を賑わせた。「流行語大賞」や「今年の漢字」はいまいち広まっているように思えない。誰もが幸せになりたいと思っているのにもかかわらず、悲惨な事件に巻き込まれる人たちは後を絶たない。天災だけでなく、人災においても、その被害者はもちろんのこと、加害者も含め、決して幸せとは思えない。
そんな時代の中、結び付くべきものに結び付いているか、つながるべき人につながっているかが大切なのではないかと、万代牧師は語る。核家族だけにとどまらず、引きこもり、家庭内別居、独居老人、孤独死など、ますます孤独に近づく言葉が増えてきた現代。幸せになるための努力をし続けてきたはずなのに、SNSが盛んになり、いつでも誰とでもつながれる環境ができてきたはずなのに、それは表面的な幸せ・つながりでしかない。
万代牧師は、聖書に書かれたイエス・キリストの「わたしはぶどうの木で、あなたがたは枝です」に始まる言葉を引用し、「わたしにとどまりなさい」と語る神のメッセージを取り次ぐ。コンセントにコードがささっていなければ、力尽きてしまう家電製品にたとえ、神ともう一度つながりなさいと勧める。コードを抜いたのは神ではない。人間の咎・罪が、神と人間の仕切りとなり、神の愛・恵みから離してしまったのだ(イザヤ59:1~2)。
神でありながら、人の姿をとられたイエス・キリストは、神と人という異質な二つの存在を仲介するため、どちらにもなじむ、両方の性質を持った存在としてこの地に来てくださった。それだけでなく、罪に汚れた人が聖い神と一体となり、いのちを得ることができるように、十字架にかかり全ての罪を贖ってくださった。クリスマスは、まさに神と人とのつながりの物語なのだ。
オリジナル曲「Bless」で、「こんな私にさえ 君はほほえみかけて ためらうことなく『愛している』と言ってくれました 十字架の上で血を流され 捨てられた いのちが この胸の奥で息をしている だから何が起きても 何もなくても 今の人生を悔いることはない」と歌う万代牧師は、「あなたも」と呼び掛かける。
「一生懸命生きてきたけれど、ひとりよがりだった。神のいのち、恵み、愛に結び付きたいと思う人。心の歪み、汚れから開放され、きよめられたいと思う人。そっと手を挙げて、そっと立ち上がってください」。その声に応えて、ほとんど全ての人が立ち上がり、万代牧師の祈りの言葉に続いた。
「メリエスト・クリスマス2014」は、このあとも、20日(土)広島、22日(月)神戸、23日(火・祝)福岡と続く。「メリエスト・クリスマス」とは「Merriest Christmas」つまり、「Merry Christmas」の最上級という意味。 クリスマスがただのイベントで終わることなく、多くの人が神と出会う、最上の時となるように心から祈ってやまない。
「メリエスト・クリスマス2014」の詳細・問い合わせは、キリスト教会福音センター(電話:089・925・1008、ホームページ)まで。