英国のキリスト教非営利団体「CARE」の代表が、英国は「宗教の自由を失う方向に夢遊歩行している」と警告した。
英スコットランド東部にある都市ダンディーで行われた「アウト・オブ・ザ・サイレント・チャーチ(口を閉ざした教会から脱して)」と題する会議で、CARE代表のノラ・リーチ氏は「社会はキリスト教的で有り得るか?」というタイトルの演説を行った。その中でリーチ氏は、「わずか50年前、自由主義者は『新しい文化』を支持してきましたが、今日、彼らは自分たちの信条を変えるよう求めるものは何でも拒絶するようになりました。かつては西洋文化の主流でもあった宗教(キリスト教)が、今はせいぜい(西洋文化と)無関係なもの、最悪の場合、優勢な文化を侮辱するものとまで降格されてしまったのです」と語った。
「人権尊重の哲学は宗教を必要とせず、ましてやキリスト教の基盤も必要ありません。明白であることは、段階的な権利だけが生まれてきており、宗教の自由自体は繰り返し打ち壊されているのです」
また、同性同士の結婚の合法化と、要求が高まる自殺ほう助の合法化運動に言及し、「これは神がつくった結婚と性への真っ向からの挑戦であり、人生の全ての過程においての神聖なる命への攻撃なのです」と語った。
リーチ氏は、キリスト教徒たちが自らの信条をはっきり伝えることが極めて重要だと言い、「イエスが道であり、真理であり、いのちであるように、私たちには大きな責任があるのです。世界がそれを知る必要があり、沈黙してはならないのです」と訴えた。
「それは勝ち負けの問題ではありません。私たちが真理の中で生きるとき、他人もそれを目の当たりにし、それを見たときに、彼らもそれを欲するようになるのです。たとえ、地上の法律が私たちや私たちの信仰に相反するものであっても、私たちには福音を伝える権威があるのです」とも言い、「私たちは、信教の自由のために戦う必要があります。これは福音を世に広める要です。信教の自由が失われる状況に向かって夢遊病者のように歩いて行ってはならないのです」とリーチ氏は続けた。
使徒パウロがローマの人々へ書いた手紙を引用し、政府は「私たちを助けるために、神様から遣わされた」とする一方で、「もし政府が公益を求めなかったらどうするのか、という問題があります。それならば神の教会がこの社会の中で預言者の役割を担って、神の義と公正がなされるように宣言していかなければならないのです」と語った。
「主への信仰と信頼によって、敵対的な環境の中においても主は、キリスト教徒として人生を歩む力をくださるのです」とリーチ氏。キリスト教徒が「神の御言葉を勉強し、ダニエルのように信仰と高潔さを持って生きるとき、私たちのことも主が守ってくださる、ということを学ぶべきです」と語った。