愛知県名古屋市にある「ヒズコールチャーチ(His Call Church)」が11月29日、同県豊田市で3回目の礼拝を行った。同市内で行われた礼拝には、約70人が集まった。
ヒズコールチャーチは、2004年に細江政人牧師と由美牧師によって名古屋で開拓された教会。今年、名古屋駅すぐの中心地に教会堂を建ち上げ、毎週日曜日に延べ250人が礼拝に参加するまでに成長した。このほど豊田市の開拓を始め、今年の9月に越中秀起牧師のリードのもと「ヒズコール豊田」として礼拝をスタート。毎月1回、土曜日に礼拝を行っている。
豊田市は名古屋市から電車で1時間ほどの閑静な街。自動車会社の「トヨタ」に関連した事業で働く人が街の大半を占めている。トヨタは世界的に業績が良く、地元の経済も良いと地元の人は言う。
ヒズコール豊田の礼拝は、社会人が多いことに加えて、高校生の多さが目を引く。3割ほどが10代の青少年のようだ。「豊田市は高校卒業後、進学せずに働く人が多いのも特徴。お金のためにきつい仕事をして、精神的に参っている人、心が乾いている人が多い」と、開拓に加わるスタッフは語る。そんな街にイエスのことを伝えたいと始まった教会開拓。礼拝以外にも毎週ストリートライブを行い、一人でも多くの人に福音を伝える活動を行っている。
豊田市は、日本人労働者だけではなく外国人労働者も多い。外国人を対象にした教会も多く、道行く人も教会の活動に対してオープンだという。彼らとの関係・友情を土台とし、イエスについていく力強い弟子となる可能性を持った人々が、豊田にはたくさんいることを確信しているという。
その中で豊田の開拓に最近加わった若者の証をいくつか話してくれた。自殺を思いとどまって教会に来た若い社会人の話や、高校生の話もあった。豊田市は、被雇用者自殺者数が日本第1位といわれている街でもある。「開拓を始めるにあたって、豊田の街から自殺者がなくなることをスタート当初祈った。いま、その答えとなる神様の働きを目の当たりにしている」という。
10代の場合は、塾や部活がある他に、両親から教会に行くことを反対されてしまうことも珍しくない。日本では一般的に宗教に対するイメージが良いとはいえず、クリスチャンや教会に対しても例外ではない。そのようなイメージにより一方的に判断されてしまう場合もあるが、「彼らと健全な関係を築く努力をするし、新しく来る人たちにとっても(教会が)居場所になれるから毎週来たくなる。彼(10代の高校生)の場合は堂々と『教会に行きたい』と言ってくれて、両親の理解を得てくれた」と語るメンバーの顔には笑顔がにじみ出る。
ヒズコールチャーチは現在、昨年12月に完成した会堂で礼拝を行っている。しかし、開拓を始めたばかりの豊田にはまだ建物はない。場所を借りる必要や、準備、後片付けなど、本部に比べて制約もある。しかし、「それらの一見チャレンジに見えるものも、新しく来た人たちが居場所や役割を得て、救われ、イエスの弟子として成長し、チームでイエスの弟子を生み出す教会として用いられている」と越中牧師は熱く語る。
来年からは毎週礼拝を行うことを目標にしており、「メインチャーチのビジョンとDNAを薄めることなく受け継いで、10年で10の教会を生み出すメインチャーチのビジョンの一部として貢献していく期待しかない」と明かしてくれた。