「青年向け」や「少年向け」の礼拝は、世界中数限りなくあるだろう。しかし、今回紹介するのは、賛美もメッセージも、礼拝の奉仕全てを10代の中高生たちがリードして行う10代による礼拝「ティーンズ・テイクオーバー」だ。この礼拝が行われたのは、東京・六本木にあるインターナショナルチャーチ「ライフハウス」。若者が多く集う教会だが、10代の中高生が礼拝の全てをリードするのは今回が初めて。礼拝には、いつも通り約300人の学生や若い社会人が集まり、共に神を賛美した。
ロックとテクノを合わせたスタイルの賛美、中高生によるダンスも披露され、会場のボルテージは最初から上がっていく。祈りも、10代のリーダーがイザヤ書43章19節の「わたしは全く新しいことをしようとしている。いや、すでに手をつけた」という言葉を引用して祈り、ユース牧師のルイス・ライス氏が英語に通訳する。
中高生のリードを担当しているスタッフは、「ユースの礼拝は学生などの若い世代が主導で行っているが、中高生も今年で約3倍の規模に成長した。彼らに『大学生になるまで待とう』と言う気持ちではなく、『中高生にもできることがある』と思ってほしい」と、この礼拝への期待を話す。
聖書でも、幾度も若者が周囲の評価とは関係なく活躍する場面がある。預言者エレミヤがまだ若かったとき、「神様、とんでもないことです。そんなことができるはずはありません。何と言っても若すぎます」と、神の言葉に対して応える場面がある。しかし、神はそんな彼に向かって言う。「そんな言い方をするものではない。おまえは、わたしの送り出す所はどこへでも行き、命じることはどんなことでも語るようになるのだ。人を恐れてはいけない」(エレミヤ書1:6〜8)。その後、エレミヤは預言者としての生涯を全うし、その生き様はエレミヤ書として聖書に収めらることになった。
この時間の礼拝の奉仕チームは普段、おおむね大学生がリードしている。しかしこの礼拝では、10代が全ての奉仕をリードし、普段のリーダーたちはもっぱらサポートに回ったが、一切危なっかしさは感じられなかった。ソロモンの言葉にも「若者をその行く道にふさわしく教育せよ。そうすれば、年老いても、それから離れない」(箴言22:6)というものがあるが、この教会では若者に常にチャンスを与え、共に考え、共に成長することを教えている。
この日のメッセンジャーは2人。「歳が若いからって軽く見られてはいけない。かえって人々の模範になりなさい」と、テモテへ宛てたパウロの手紙の内容や、ペリシテの巨人ゴリアテに単身挑み、撃ち破った少年時代のダビデの話を引用し、「若すぎるなんてことはない!だから今すぐに、意味のある人生を始めよう!」と、1人目の少年が熱いメッセージを伝えた。
「強くあれ、雄々しくあれ!あなたがどこへ行くにも神様がついている。だから、自信をもって行動していこう!」と、ヨシュアへの神の言葉を引用したメッセージ行ったのは2人目のメッセンジャー。どちらもまだ17歳と16歳の高校生だ。
このような試みに対して中高生の担当スタッフは、「普段のアウトリーチも彼らは自主的に始めている。メッセージでも触れたように、彼らが恐れず自信を持って行動できるように手助けしています」と明かしてくれた。
ライス牧師も「誰の口からメッセージされるかが重要じゃない。この若い2人の口から語られる神の言葉を心を開いて聞いてみてください」と、若者らしい情熱のこもった礼拝をサポートした。