東日本大震災で被災した岩手県の女性たちが、全国から届けられてきた毛糸を使い、震災直後から編み物を通して始めた「ハートニットプロジェクト」(岩手県盛岡市)が、11月30日から12月7日まで、単立・東京ユニオンチャーチ(TUC、東京都渋谷区)で、「ニットでハートをつなごう展」を開く。
同プロジェクトによると、同展では世界的にも著名なノルウェーのニットデザインデュオ「Arne & Carlos(アルネ&カルロス)」がデザインを提供したクリスマスボールが販売されるという。
また、このクリスマスボールは、11月28日から12月23日までは、昨年に続き、日本基督教団銀座教会の東京福音会センター(東京都中央区)で開かれる木工雑貨ブランド「SAYADOLL(サヤドール)」のクリスマス展示会でも販売されるという。
「震災後、食が届き、衣が届き、暖が確保されてくるうちに、次には心の癒しが必要となると感じ、この活動は、編み物を通して女性の心に温かなものをお届けしたくボランティアの手によって始まりました」と、同プロジェクトはその活動の経緯について説明している。被災地の女性たちが編み上げる作品の素晴らしさから、商品化へと発展。震災1年を機に、被災地の女性たちが運営するプロジェクトとして動き出したという。
上記の期間中、TUCでの展示販売会は午前11時から午後7時まで。東京福音会センターでのサヤドールの展示会は午前11時から午後6時までで、日曜日は12時半からとなり、月曜日は休館。
TUCで「ニットでハートをつなごう展」を担当している加藤ディマさんによると、同教会がハートニットプロジェクトを支援するようになったのは、TUCのボランティアたちが、2012年8月に銀座教会で開かれた展示販売会を手伝い、そこでTUCの教会員らが3つの小さなコンサートを開いたのがその始まりだという。
同年11月、TUCは同プロジェクトへの寄付のために初めての展示販売会を開催。それ以来、毎年クリスマスと夏の2回、展示販売会を開き、暖かい冬物の手編み製品や、夏物のかぎ針編みによる綿製品をそれぞれ目玉とている。
加藤さんによると、「ニットでハートをつなごう展」は、岩手県の津波被災者を支援し励ますための機会を作ろうというのがその趣旨。これまでも、「これらの展示を通じて私たちは多くの寄付をいただくことができ、その全額がその製品を編んだ岩手県の女性たちへ寄付されました」と話す。
一方、サヤドールでオリジナルの人形や雑貨を木で作るクラフト作家の坪井いづよさんは、「今回、ハートニットさんを通じて、アルネ&カルロスさんを知り、改めて自分なりの方法でお役にたてることがあることを認識しました。私の作る人形たちが、少しでもお役にたてたら幸せです」と言う。
ハートニットプロジェクトには、東北ヘルプ(宮城県仙台市)や仙台キリスト教書店(宮城県仙台市)など、全国に19カ所の常設販売店がある。また、今月8日には名古屋YWCAも、名古屋市名東区の「めいとう防災フェスタ」でハートニットを販売したという。
ハートニットプロジェクトは、500円のワンコインサポーターも募集している。サポーター会費は一口500円(複数口も可)。送金先は、ゆうちょ銀行 (記号:18390、番号:17884711、口座名:ハートニットプロジェクト)まで。
詳しくは、同プロジェクトのホームページで。