1587年の伴天連追放令以来、隠れキリシタンが400年以上守り続けてきた歌が24日、バチカンのサンピエトロ大聖堂で披露された。朝日新聞などが伝えた。
披露されたのは、長崎・平戸で唱え継がれた祈り「唄オラショ」の原曲であるグレゴリオ聖歌で、指揮者の西本智実さんが率いるイルミナート・フィルハーモニー・オーケストラと、システィーナ礼拝堂合唱団によって演奏された。
聖歌は、日本へ伝わった最初の西洋音楽と言われている。今回演奏された曲は、ヨーロッパではすでに歌われなくなっていたもの。西本さんらが昨年これらの聖歌を復元演奏し、バチカンより「オラショ」が正式な聖歌として認められた。
今回のミサは、第13回バチカン国際音楽祭の一環として行われた。曽祖母が平戸出身という西本さんは、活動の意義が認められ、音楽祭の主催財団から名誉賞を受けた。