【CJC=東京】ローマのオリンピックスタジアムで今月1日夜、サッカーの元アルゼンチン代表ディエゴ・マラドーナや元イタリア代表アレッサンドロ・デル・デルピエロら世界の有名選手たちが参加し、「平和のための親善試合」が行われた。
サッカー好きで知られる教皇フランシスコが平和を願い、開催を呼び掛けたもの。
教皇は、キリスト教やユダヤ教、仏教などさまざまな信仰を持つ選手らを招待したところ、ワールドカップ杯ブラジル大会で活躍したイタリアのアレッサンドロ・ピルロ氏やカメルーンのサムエル・エトーら約50人が結集した。
親善が目的のため、試合は終始なごやかなムードで展開。選手たちの好プレーや珍プレーに、観客席からは笑いや拍手が起こった。
教皇はスタジアムで観戦しなかったが、ビデオ映像を通じて「みんなが団結しながら参加することにこの試合の意味がある」とメッセージを送った。
試合前、バチカンのパウロ6世ホールで行われた参加選手たちとの集いで、教皇は、スポーツを通して兄弟愛と友情を証しすることの大切さを強調した。
バチカン放送(日本語版)によると、教皇は、サッカーをはじめ、スポーツはフェアな態度、分かち合い、受け入れ、対話、信頼など、民族・言語・文化・宗教を超えた普遍価値を考える機会を与えてくれると述べ、この試合が出会いの文化と世界平和の構築は可能であることを伝えるシンボルとなるよう要望した。
スポーツの中でも、サッカーはよく知られた競技として社会・文化に与える影響が大きく、特に若者たちの関心も高いと教皇は指摘、選手たちが試合の中でも外でも、よい模範を示すことが大切と述べた。
そして、試合の中で生きる喜びや友情の絆、開かれた心を示すと共に、日常生活でも信仰や人間性、他者への思いやりを通して、愛と連帯、平和に基づく社会構築のための、市民の平和的共存の理想を証して欲しいと選手らに希望した。
収益金はバチカンなどの慈善団体に寄付され、恵まれない子どもたちの支援に充てられるという。