メリッサ・ロドリゲスさんは、米フロリダ州マイアミ市にある200人ほどの教会に通っている。ロドリゲスさんはこの教会の中で、未婚で子どもがいない唯一の30代の女性だ。教会で独身者のミニストリーを立ち上げようとしたが、立ち上げの際、実際に現れた唯一の男性は、彼女の父親だけだった。
現在の独身としての身分に対し連帯意識を持てる場所を探すべく、ロドリゲスさんはオンラインを利用した。たどりついたのはポッドキャストの番組「バウンドレス(Boundless)」だった。これは、米国の福音派団体「フォーカス・オン・ザ・ファミリー(Focus on the Family)」が毎週放送している番組で、ヤングアダルトに焦点を当てたものであった。彼女はこの番組を熱心に聴くようになった。8月、彼女はオンライン上でしか連絡をとったことのない人たちと出会うべく、人生で最西端の地に出かける。「パスート(Pursuit)」という、独身者を対象とした初開催のカンファレンスに参加するためだ。
「パスートに行って、皆さんに会うのを本当に楽しみにしています」。6月、ポッドキャストの収録に立ち寄った後、ロドリゲスさんは嬉しそうに語った。彼女は、「FotF(Focus on the Familyの頭文字)」と印刷された紙を持ち、その紙を定期的に見て思い出しては祈っていることを明かすなど、カンファレンスに対する情熱を隠せない様子だ。
バウンドレスの責任者であり、バウンドレスのポッドキャストのホストも務めるリサ・アンダーソンさんも、ロドリゲスさん同様、熱い情熱を持つ。
自身も未婚であるアンダーソンさんは、「結婚カンファレンスや子育てカンファレンス、リーダーシップに関するものはあるのに、私たちのような独身のヤングアダルト層の人たちのためのものがないと気付きました。だから、もしこのようなグループを探している人がいるなら、ここにありますよ!私たちです!と言いたいです」と話す。「私たちは独身のヤングアダルトの人たちと、彼らの人生に神様が何をしてくださっているのかについて祝いたいのです」
バウンダレスのポッドキャストやウェブサイト、ブログなどでは情報を頻繁に更新している。その中で、結婚すると経験することになる人生のステージとはどのようなものか、また同時に、配偶者や子どものいないライフステージにおける信仰とは何なのかということを紹介し、独身者が将来に備える助けをしている。そのため、アンダーソンさんはカンファレンスが「もし将来結婚するならば、どのようにして、またどういった目的で結婚までたどり着くことができるか、しかし同時に、今あなたは何をやっているのか」といった問いを真剣に模索していくようなものになるだろうと言う。
一方、アンダーソンさんは、パスートの関心や計画が、いくつかの点で反文化的だと見ている。彼女は、インターネットの同時放送やウェビナー(ウェブ上で開催されるセミナー)の時代であるいま、このカンファレンスは直接顔を合わせて会うことを優先していると指摘する。
「オーストラリアから10人が来ます。また韓国から女の子が1人。そしてカナダからもたくさん来ます。参加者は(米国の)42州と5カ国に広がっていると思います。ただただ素晴らしいです」とアンダーソンさん。「また、もう一つ言えるのは今回、多種多様な人々が来るので本当にびっくりしていることです。ブロンクス、マイアミ、デトロイト、サンフランシスコなど、異なる地域からの登録者がいます。今回来る人たちの話を聞くだけで素晴らしい時となるはずです」と話す。
アンダーソンさんは「私たちは自分が既婚であるか未婚であるかに関係なく、結婚をたたえることができると宣言するつもりです」と言う。「きっと心の中で思い浮かぶ人がいるのではないかと思います。たとえば結婚して50年でとても仲の良い祖父と祖母、あるいはエチオピアから来て養子となった姉、また結婚生活につまずきを覚えたがカウンセリングに行くことに決めた両親などがあるでしょう」
一方、アンダーソンさんはパスートが「奇妙なお見合いパーティ」か何かであるというような噂を否定する。だが、「カンファレンスに参加したい、そして良い異性の友達に会う」ということに関しては認める。「多くの人にとってそうだと思いますが、『私は新しい友達を作るのが好き』だという人なら、バウンダレスのことが好きになるでしょう。私もバウンダレスが大好きですし、そこで色々な人に会いたいです」