1950年に米国・シカゴで宣教プログラムとしてスタートした「Awana Clubs(アワナ・クラブ)」。「熟練した働き人は恥じることがない(Approved Workmen Are Not Ashamed)」(2テモテ2:15)の頭文字から、「Awana」と名付けられた。現在では、世界100カ国に広がり、2万6千教会で用いられている。クラバーと呼ばれる会員は250万人に及び、リーダーとして活動を支える奉仕者は30万人を数える。
日本国内では、10の英語教会を含めて40教会で行われている。現在のクラバーは404人、リーダーは192人。アワナ宣教師である田中直美さんは、アワナの目的を「キリストの福音を伝え、仕えるものとなるための弟子訓練」と話す。子どもに福音を伝え、子どもたちを通して家族にも福音が伝わるよう愛をもって活動を続けている。
「訓練」と言うと、とてつもなく苦しく辛いことを課しているのではないか、と思いがちだ。しかし、アワナ・クラブの活動を行っている千葉県の教会、グレースコースト一宮(GCI)の集会を訪れると、子どもたちの笑い声とリーダーたちの歓喜の声が響いていた。
グレースコースト一宮は、会場として会堂を借りるなど、アワナの活動を近隣の岬キリスト教会と協力して行っている。祝日と学校の休みの期間を除いて毎週行われる活動は、リーダーの祈りから始まる。そして、子どもたちと共に大声を上げて、神様を賛美。子どもたちが大好きなゲームタイムも、すべてアワナのゲーム集にプログラムされている。愛する兄弟姉妹、リーダーと共に過ごす時間は、子どもたちにとって大切な主の計画の内にある「交わり」の時間なのだ。
ゲームの後はリーダーと共にハンドブックを用いたスモールグループの時間となる。暗唱聖句を覚えた子どもたちには、バッジやワッペンなどをお揃いのベストに飾っていく。かつて兵隊が勲章を誇らしく思っていたように、子どもたちもこのワッペンやバッジを大切に、そしてとても誇りに思っている。スモールグループの時間では、聖句を暗唱するだけではなく、クリスチャンとして成長していくために必要なことや疑問を各々が話し合い、霊的に成長するように励ます時間になっている。「ここで学ぶことは、学校では教えてくれないことばかり。教会だからこそ伝えられる大切なことを伝えていきたい」と田中さんは話す。
クラバーの子どもたちは、何を楽しみに、何を望んでクラブに足を運ぶのだろうか。田中さんが5年ごとに小学3年生から6年生を対象に行っているアンケートによると、活動の中で一番楽しいのはゲームタイム。だが、不動の2位はこのハンドブックを使ったスモールグループの時間だという。子どもたちの中には、「もっとリーダーと一緒に神様のことを学びたい」「一人ひとりのことを祈ってほしい」など具体的な希望を書く子どももいる。定期的に教会を訪れることによって、子どもたちとリーダーの絆も深まり、主にある兄弟姉妹といった感覚を子どもたちも肌で感じているのかもしれない。
アワナ・ジャパンの横山幹雄理事長は、活動を紹介する資料の中で、「今や子どもたちは教会から姿を消した。子どもたちに教会が見捨てられたのだ。何とかしなければならない」と、全国の教会が直面している教会学校の減少を単刀直入に表現している。
「そこでイエスは小さな子どもを呼び寄せ、彼らの真中に立たせて」(マタイ18:2)や、「子どもたちをわたしのところに来させなさい」(マルコ10:14)といった聖句から、「教会は、子どもを軽んじてはならない。子どものための働きこそ、主は喜んでくださるのではないか。そしてそこには大きな祝福がある。かつてイスラエルでパロ王が生まれた男の子をみなナイル川に投げ込んだのは、大人の存在よりもむしろ子どもさえいなくなれば、時間がかかってもイスラエルはやがて絶えると思ったからではないか。この世のサタンも同じことを考えている。『教会から子どもたちが消えれば、やがて教会は絶える』と」と語っている。
子ども伝道には価値がある。その祝福は大きいのだ。アワナ・ジャパンでは、体験アワナ・クラブやアワナ見学なども随時受け付けている。詳しくは、ホームページを参照。