聖書の教えを土台とした国際豊かな教育を行い、子ども達の夢見る力を育てたいとして始まったシオン・クリスチャン国際学校(リンウッド・ガイ・ビショップ校長)の開校式が18日、東京都江戸川区の単立・小岩四恩キリスト教会で行われた。小学部から中学部、高等部まで備える学校で、実際の授業は昨年9月から既にスタートしている。現在は20人の生徒が在学しており、同校の正式な始まりの日に、生徒や保護者、キリスト教界関係者ら110人が集い、同校のスタートを祝った。
同校の特色は、聖書の教えを土台としたバイリンガル教育と、国際的な交わり・学びを経験できる環境だ。ビショップ校長は、23年前に宣教師として来日し、英会話講師として英語を教えてきた経験があり、日本語も堪能。授業は日本語、英語の2カ国語で行われ、積極的な留学プログラムも用意している。現在は、小学部から高等部までの生徒20人に対し、教員が14人という体制。教員は全員クリスチャンだ。
開校式は、同校の理事長で、会場となった小岩四恩キリスト教会の主管牧師である西村虔氏の司会で行われた。「(同校は)クリスチャンスクールであり、インターナショナルスクールである」と西村氏。開校宣言では、参加者全員が起立する中で、「主イエスの命令に従い、福音を宣べ伝え、主イエスを教えたもう真理を教える業を行わせていただきます。主よ、知恵と真理をお与え下さい。終わりの日まで主に忠実であらしめてください」と祈り求めた。
説教は、ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会主管牧師の峯野龍弘氏が、「本当の自分の価値を知る」と題して行った。生みの母親を知らず、酒乱の父親に苦しめられながら、少年・青年時代を過ごした峯野氏は、教会に導かれ、神に愛されていることを知るまで、自分の価値を認められなかったと言う。「わたしの目にあなたは価高く、貴く、わたしはあなたを愛す」(イザヤ43章1節)という言葉に出会い、価値観、人生観が一転した峯野氏は、「皆さんが、本当に聖書を通して、この素晴らしい神様の愛と真理を学ばれて、またグローバルな視点で、世界どころか全地を創られた神様の心を知って、やがて社会に出て大きな役割を果たす大人になって欲しい」と、生徒らを励ました。
生徒を代表として登壇した同校高等部の丸田ステファニーさんは、「毎日、賛美があり、聖書の学びがあり、授業の初めと終わりに必ず祈りがあり、信仰の友に支えられながら、また時には、互いに鉄を持って研がれるように研ぎ合いながらも、友を想って一つになって、主の栄光のために成長していきたいです」「大きな夢と情熱を持ち進んで行きたいと願っています」などと応じた。
開校式後には、同校を紹介する映像も公開され、生徒らによるダンスのパフォーマンスもあり、最後には、スクールソングにしている賛美「その日全世界が」を生徒全員で歌った。
■ 夢が人を生かす
ビショップ校長が同校を始めたのは、子ども達が夢を持てる教育の必要性を感じたからだ。23年前、ビショップ校長が来日してはじめて気がついたことは、「日本の人々が夢を見る力を失ってしまっている」ということ。「わたしにとって日本社会にいじめや引きこもり、自殺が蔓延していることは不思議ではありません」と言う。
これについて、大学院で学んだ「自己効力感(self-efficacy)」という概念がビショップ校長の心を強く捉えたと言う。自己効力感とは、「心の底にある自分への自信、自分自身の持つ可能性をどれだけ強く信じることができるか」ということ。「これが今の日本に必要な鍵だと直感した」と言う。実際、先進国35カ国の大卒者を対象に行われた調査で、日本は自己効力感が最下位、人生の満足感も最下位だったと、ビショップ校長は指摘している。
一方、ビショップ校長は、青年海外協力隊などボランティアで海外へ行った学生が、自信を持つようになって帰国していることを発見した。「彼らは夢を持つことを知りました」とビショップ校長。
「私たちにできる最大のことは、生徒のうちに眠る夢見る力を呼び覚ますこと、神が彼らに与えられた特別の役割を発見する手助けをすることです」「投稿の特色であるバイリンガル教育と国際的な経験が、生徒の夢見る力を呼び起こす最高の方法の一つであると信じています」と言う。
同校への入学は4月と9月の年2回。だが、必要に応じて学期途中からの入学も可能だ。学力によって合否を決めることはないが、入学者に合わせた授業計画を立てるため適宜試験は行われる。入学相談や学校見学などは下記まで。
■ シオン・クリスチャン国際学校
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