レビ記11章
(1)11章の位置と内容
☆位置
①1~10章 、礼拝のために
「犠牲」に関する規定 1~7章
祭司アロンとその子たちの聖別 8~10章
②11~27章、 礼拝者の生き方
その中で、11~15章は汚れの除去について。
11章 食物
12章 産後の婦人
13、14章 皮膚病
15章 漏出(ろうしゅつ)による汚れと清め
☆内容
食べて良いものと悪いものの区別。
①1~8節 陸上の生き物
②9~12節 水中の生き物
③13~19節 空中の生き物
④20~23節 羽のあるもの
⑤24~40節 「汚れ」をもたらすもの
⑥41~43節 忌むべきもの
⑦44~47節 要約 、ほし中心
区別の根拠としては、動物、水中のもの、鳥類などで、最もその分類らしいもの、標準的なものが選ばれている。
その他偶像礼拝と関係ないもの、衛生上の理由、象徴的な理由などが区別の根拠としてあげられる。それらの中で、完全で欠けのない普通であることが基準と考えられる。
(2)44~47節
①44節「あなたがたの神、主」、出エジプトの主
出エジプト19章4節以下、特に6節、「あなたがたはわたしにとって祭司の王国、聖なる国民となる。これが、イスラエル人にあなたの語るべきことばである」。神の恵みが第一、先行。
②45節、「わたしは、あなたがたの神となるために、あなたがたをエジプトの地から導き出した主であるから。あなたがたは聖なる者となりなさい。わたしが聖であるから」。何のために書かれたか11章の目的を明らかにしています。
③46、47節、何が11章に書かれているか、その要約
「以上が動物と鳥、また水の中をうごめくすべての生き物と、地に群生するすべての生き物についてのおしえであり、それで、汚れたものときよいもの、食べてよい生き物と食べてはならない生き物とが区別される」
出エジプトの恵みにあずかった者として、日常生活のレベルにおいても恵みに応答して行く具体的道を明らかにします。
(3)聖書全体の中で、食物についての基盤
①神の創造から
創世記1章26節、「神は仰せられた。『さあ人を造ろう。われわれのかたちとして、われわれに似せて。彼らが、海の魚、空の鳥、家畜、地のすべてのもの、地をはうすべてのものを支配するように』」。
創造の秩序のもとで、Ⅰテモテ4章4節、「神が造られた物はみな良い物で、感謝して受けるとき、捨てるべき物は何一つありません」。
②神の救済から
レビ記11章、神のご本質に与かる聖化、キリストに似る者とされて行く道。
神の恵みにより救われた者として、日常の生活においても恵みに答えて行く生活。Ⅰテサロニケ5章16~18節、「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい。これが、キリスト・イエスにあって神があなたがたに望んでおられることです」。
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宮村武夫(みやむら・たけお)
1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。宇都宮キリスト集会牧師、沖縄名護チャペル協力宣教師。
主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、『哀歌講解説教 哀歌をともに』、『ルカの福音書 味読身読の手引き①』以上クリスチャントゥデイ、など。
■外部リンク:【ブログ】宮村武夫牧師「喜びカタツムリの歩み」